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壊れゆく海のためにできること Vol. 01 /HONEY編集部

Posted, May 27.2020

地球の海に蔓延するプラスチック

たくさんの生命が日常を紡ぐ、美しくて豊かなはずの地球の海は、私たち人間の暮らしかたのせいで、
さまざまな危機に瀕している。それらはどれも、海の上から眺めるだけでは気づけないことばかり。
諸問題と向き合う専門家たちが見つめる、「海のいま」とは......。

 

第1回目の今回は、プラスチックによる海洋汚染について考えたい。

 


 

 

プラスチックゴミの脅威は今、表層から深海まで広がっている。大きいものは生き物を傷つけ、波や紫
外線による劣化で5mm以下になったマイクロプラスチックも「プラスチックスープの海」として世界中
に広がってしまった。海中の汚染物質もどんどん吸着するプラスチックは有毒性を増しながら、生態系
全体を危険にさらしている。それは私たちが口にする魚にも含まれている可能性は否めず、誰もが汚染
者であり、誰もが汚染の被害者にもなりえるのだ。

 

プラスチックは世代を超えて海や大地に残り続ける危険な廃棄物。目に見えているものは拾えても、粒
子となったものは除去できない。“人類は将来の子孫から大地を借りて暮らしている”というネイティブ・
アメリカンの言葉があるが、借りたものはきれいな状態で、何も残さず返すことが私たち人間の生き方
であるべき。使い捨てのプラスチックに依存する生活は、今すぐストップしなければならない。

 


 

〈プラスチックフリーのすすめ〉

 

 

ペットボトルからMYボトルへ

 

ペットボトル飲料は買わず、MYボトルやタンブラーを持ち歩こう。今は軽量コンパクト、保冷保温効果
も高くてスタイリッシュなボトルがたくさん。お気に入りをいつもバッグにしのばせて。浄水器を購入
するのも◎。

 

マグカップやグラスで注文を

 

「MYボトルを忘れた or 持ち歩きたくない」なら、カフェやレストランでドリンクを注文するとき、
「マグカップ or グラスで」とひと言そえるだけでも効果的。プラスチックカップでのテイクアウトも
なるべく控えてみよう。

 

レジ袋からMYバッグへ

 

「レジ袋をもらわない日はない」というくらい、日常的に大量に使い捨てている私たち。これからはぜ
ひ、MYバッグにシフトして。コンパクトに折りたためるエコバッグ、レトロに風呂敷などを、いつも携
帯しておこう。

 

過剰なラッピングもお断り

 

商品をプラスチック製の袋で包装した上に持ち帰り用の袋……と何重にもラッピングするお店も多いが、
過剰な包装は潔く断って。プレゼント包装以外は「テープ・シールでいいです」とお願いするだけでも
削減につながる。

 

プラスチック袋はなるべく控えて

 

野菜や果物、食材なども袋づめ包装されて陳列棚に並ぶが、これもプラスチックゴミの要因。なるべく
包装されていないもの、マーケットや八百屋さんなどを利用するのもオススメ。個別包装された飴やお
菓子も控えめに。

 

ストローやプラ製カトラリーもNO

 

プラスチック製のストローやマドラー、スプーン・フォーク・ナイフなども大量に見つかる海ゴミのひ
とつ。これらが必要なら、金属製など使いまわせる素材のものを。食品保存もプラ容器ではなく、ビン
やジャーを活用して。

 

ビーチクリーンは積極的に

 

ビーチは紫外線や高気温、波の衝撃など、プラスチックが劣化しやすい条件が揃い、粒子化すれば砂に
紛れて回収不能。その前にレジ袋1枚拾えばマイクロプラスチック約1万個分! ビーチ清掃、街のゴミ拾
いも積極的に 。

 


 

教えてくれたのは……

 

東京農工大学 農学部 環境資源学科 
高田 秀重 教授
 
日本における海洋プラスチック汚染研究の第一人者。プラスチックゴミに吸着する環境ホルモンや汚染
物質、合成洗剤や医薬品など、化学物質による環境汚染の 解析研究が専門。

 


 

photography : Takaji Ochi composition : Ayako Minato
掲載:HONEY Vol. 22

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