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壊れゆく海のためにできること Vol. 02 /HONEY編集部

Posted, May 31.2020

バランスを狂わすCO2 過多と温暖化

たくさんの生命が日常を紡ぐ、美しくて豊かなはずの地球の海は、私たち人間の暮らしかたのせいで、
さまざまな危機に瀕している。それらはどれも、海の上から眺めるだけでは気づけないことばかり。
諸問題と向き合う専門家たちが見つめる、「海のいま」とは......。

 

第2回目の今回は、CO2増加から広がる海の温暖化について考えたい。

 


 

 

海は陸よりもはるかに回復力があり、生き物も豊かなポテンシャルの高い世界。そんな海に、人類はさ
まざまにプレッシャーを与えてきた。そのひとつが、温暖化による海洋環境の変化だ。海も自然の浄化
力がつねに働いていて、人間活動が適度な規模だった頃は海のバランスも正常に維持されていた。しか
し今は回復力も追いつかず、多くの破綻が生じている。

 

水温や水面の上昇、サンゴ礁の消滅や海の砂漠化、生き物の行動変化や異常発生、砂浜の侵食、海の酸
性化、これは生活排水汚染にも関わってくるが、身近な東京湾も広い範囲で無生物状態、死の海底だ。
『海の浄化槽』である干潟やアマモ場なども減少し、浄化環境が減れば回復力も低下する。

 

人間活動や経済ニーズを叶えるためにいつも海が犠牲となり、不都合な部分もすべて受け入れてきた海。
今では自力で回復できるレベルを超え、生き物にとっても人間にとっても、ありがたくない海にしてし
まっているのだ。

 


 

<低炭素なライフスタイルを>

 


 

照明・ 家電製品をひと工夫

 

家庭からのCO2排出量で3割も占めるのが照明・家電製品。白熱電球は電球形蛍光ランプに、無駄な照明
は消す、PCや電子機器も使わないときはプラグを抜いて待機電力を削減。購入するなら省エネ家電に。

 

移動はなるべく交通機関を

 

マイカー移動も家庭のCO2総排出量の3割を占める。エコカー対象車を検討したり、アイドリングストッ
プを心がけて。なるべく電車などの※公共交通機関利用し、徒歩や自転車も楽しむライフスタイルへ。
※現在はコロナ禍にあるので、公共交通機関を利用する際はマスクの着用や咳エチケットなど注意が必要

 
冷暖房は控えめに

 

じつは冷房よりも暖房のほうが多くのCO2を排出する。洋服を重ね着して暖房の温度を下げ、運転時間
も短く。二重カーテン、窓を二重ガラスや断熱サッシにすると冷暖房効果がUP。太陽光発電も検討を。

 
キッチンでできるエコ対策

 

かたときも休まず稼働している冷蔵庫や電気ポットも省エネ対象。冷蔵庫の詰め込みすぎをやめて空間
を作り、扉の開け閉めも少なく。電気ポットは保温ではなく、使用するときに再沸騰させるとベター。

 

バスタイムや洗濯も省エネに

 

間隔をあけずに入浴すると、追い炊きや熱湯の追加を減らせてCO2削減に。シャワーの出しっぱなしも
控えよう。洗濯もまとめて回数を少なくし、乾燥機は洗濯の30倍の電力を消費するので天日干しを。

 
洗面所・トイレでの節電習慣

 

顔や手を洗うとき、歯磨き中などの水の出しっぱなしはやめて、節水コマを取り付けて流水量を少なく。
トイレの温水洗浄便座も、設定温度を低めにして、使わないときは便座のフタを閉めるなどの工夫を。

 
地産地消、旬産旬消な暮らし

 

近隣や地元で栽培された野菜や食材を買うことも大きなCO2削減に。遠方で作られたものや輸入食材は、
輸送にたくさんのエネルギーを使うので、なるべく地産地消、旬産旬消も心がけて。

 
「カーボン・オフセット」の利用も

 

「カーボン・オフセット」は、自分がどれくらいCO2を排出しているかを知り、出したぶんのCO2を温暖
化対策活動などに貢献することで帳消しにできる仕組み。日常ではぶけないものはここでぜひ!

 


 

教えてくれたのは……

 

神奈川県水産技術センター 主任研究員
工藤 孝浩 さん

 

学生時代から東京湾に潜り研究を続け、海と山の繋がり、海洋環境の調査と再生などに従事し、生き物
の視点から海と街を見つめる研究者。海や魚に関するメディア監修も数多く手がける。

 


 

photography : Takaji Ochi composition : Ayako Minato
掲載:HONEY Vol. 22

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