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サーフガールが立ち上げたスモールビジネス Vol .04 /HONEY編集部

Posted, May 28.2020

女性が成長するための旅をプロデュース〈Giulia Bacci〉

起業するサーファーも多い、スモールビジネス花盛りのカリフォルニア。得意なことを活かしたり、夢
の実現だったり、人生を輝かせるためだったり、ビジネスのきっかけは人それぞれ。そんな女性たちの
ストーリーをHONEY #21から4回に分けてお届け。

 

最終回の今回は、自分磨きの旅をプロデュースするジュリア・バッチをクローズアップ!

 


 

つねに学び続け、自分を磨き続けている人がいる。ジュリア・バッチはそんな女性の代表だ。自らも
ライフコーチのセミナーに参加するなど、より良い幸せな人生を模索し続ける彼女が考えた「WE ARE
Creative Adventurers」は、旅先での体験を通して成長するための、新しい発想のプログラムだ。

 

 

イタリアのフィレンツェで生まれ育った彼女は地元の大学で建築を学んだあと、ロンドンに移り住み、
アートカレッジでグラフィック・デザインコミュニケーションで修士号を取得。その後ポルトガルでも
学問に勤しむが、ここでサーフィンと出会う。ヨーロッパを旅した彼女は、その後ニューヨークに渡る。
しかし自分のいる街ではないと感じ、同じフィレンツェ出身の友人アマンダを訪ねてカリフォルニアへ。

 

アマンダはそのころ水着ブランドを軌道に乗せはじめたところだった。ジュリアはアマンダの仕事に素
晴らしい可能性を見出だした。同時にそれを実現できるカリフォルニアの風土と文化にも感銘を受け、
自分もカリフォルニアに住むことを決意する。

 

「早朝にサーフィンし、そのあとで仕事をするというライフスタイルに魅了された。もともと私はスノ
ーボードを教えていたの。ここカリフォルニアなら両方楽しめるから最高ね」
彼女は現在、フリーランスのグラフィック・デザイナーとして仕事をしている。

 

 

 

しかし彼女にはもうひとつ情熱を注いでいるビジネスがある。それが「ウィー・アー(WE ARE)」だ。

 

「以前コスタリカで行われたヨガ・リトリートに参加したことがあった。私以外は全員アメリカ人だっ
た。彼らはコスタリカについてよく知らなくて、私は違和感を覚えた。 せっかく美しい場所に身を置い
ているのに、誰ひとり土地とも人とも繋がっていない。旅するとき私は、カルチャーや伝統について学
び、そこに浸るのが好き。地元の人と交流していっしょに過ごし、彼らの料理や風味を味わいたい。で
も誰もそれをしていなかった。ヨガもサーフィンもできて素晴らしい経験だったけど、その経験は私だ
けの個人的なもので、誰ともシェアできなかった」

 

 

一般に企画されている多くのヨガ・リトリートには、彼女がもっとも大切だと思うものが欠けていると
思った。そこで彼女は、旅先の土地ともっと深く繋がり、その体験を参加者同士でシェアしあえる機会
がつくれないものかと考えを巡らせた。そうして生まれたのが、彼女がプロデュースする、女性限定の
旅「ウィー・アー・クリエイティブ・ アドベンチャラーズ」。これは渡航先の土地や人びととの交流や
文化体験、環境意識の啓蒙、恩返しさらにはゲスト(旅の参加者)の自己啓発も視野に入れた、ジュリ
ア曰く“幸せを探求するプログラム”。

 

 

「ウィー・アー」の特徴は、旅に同行するアンバサダーとファシリテイターがいること。たとえばバハ
・カリフォルニアの旅ではアーティストでもあるメリーが参加し、ゲストが現地の子どもたちといっし
ょに過ごしてビーチで絵を描き、彼らの通う学校に画材を寄付するプロジェクトを行なった。またサー
ファーのアナ・アーゴットが参加したメキシコのラ・サラディータの旅では、アナの真っ白なボードバ
ッグをゲストみんなに提供し、インディゴ染めのワークショップでそのバッグを思い思いに染めあげた。

 

 

ジュリアが企画する旅は、単なるカルチャー体験やヨアクティビティを目的にしたものではない。本来
の旅の目的は、もっと内面的で感情的な部分を解放し、自分を磨いて成長することにある。初めて会う
ゲストたちは自分をさらけだし、辛い経験や自分の弱さをシェアすることで、互いに手を差しのべて鼓
舞しあい、いつしか深い友情で結ばれていく。「その旅の成功はゲストの何人が涙したかでわかる」と
ジュリア。誰もがもっているクリエイティビティを引き出すことも目的のひとつだ。いま彼女の頭のな
かは、たくさんのプロジェクトのアイデアで溢れている。

 

「私たちクリエイティビティ・アドベンチャラーズは、コミュニティでもありファミリーでもあるの。
『ウィー・アー』のあとに何を付けてもいい。つまり私たちは何にでもなれるってこと。これはまだは
じまったばかりだけど、協力してくれる友人たちとともにゆっくりと成長できればいいと思っている。
でも私には見えるわ。将来この女性たちの美しいコミュニティの輪が大きなものになっている姿がね」

 

 

規模が小さくても、仕事に情熱と自信をもっている女性は魅力的だ。スモールビジネスを成功させた
彼女たちの考え方やキャリア、ライフスタイルを通して、自分らしい生き方を見つけよう。

 


 

photography & text : Takashi Tomita
掲載:HONEY vol.21

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