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【連載】地球の今、海の今を知る|Vol.33 旅を愛するからこそ、大切にしたいこと

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ミクロネシアにあるパラオ共和国も、2万人ほどの人口に対し2015年のピーク時には観光客数が16万人を超え、環境破壊や水質汚染、ゴミ問題、住民の生活環境や文化への悪影響などが顕著に。そこで、パラオ政府は2017年から入国手続きの際、入国者全員に自然/文化環境を保護する誓約への署名を義務づけ、「滞在中の行動に責任を持つ」ことを必須とする「パラオプレッジ」を導入しました。最大100万ドルの罰金を伴う措置としては世界初、2020年からはサンゴ礁を守る日焼け止めの規制も、世界一厳しく行っています。私もパラオをはじめ、たくさんの海や島々に通ってきた一人ですが、ここ15年くらいでも現地の様子は大きく変わり、海でも陸でも悲しい悪影響を実感することが増えました。

Republic of Palau

いつの頃からか、地球上のあらゆる場所が旅先として紹介され、SNSでも世界中の人々が情報発信できるようになった時代。有名な観光地だけでなく、「秘境」や「穴場」といって注目が集まるほど観光地化され、本当に「手付かず」な大自然の聖地がどんどん消えていく……。そんな様子を見ていると、人間の都合はさておいて純粋な地球の姿を穢すことなく、もっとそっと、静かに見守っていくことはできないのかなと。旅人としても、たとえば「パラオプレッジ」のように、みんなが当たり前に自然や地元の人々への思いやりを最大限に、最優先にする……旅を愛するからこそ、また自由に出かけられるようになったら、そんな精神をますます大切にしていきたいなと、私は思っています。

text:Ayako Minato