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日本を代表するスタイルサーファーRyobayの心地いいライフバランス ~子育て、お店、ときどき海~

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千葉県いすみ市太東。ロングボーダーの楽園とも言われるビーチから徒歩3分のRyobayのサーフショップ「YR」を訪ねた。彼女はいつもコンフォータブルな可愛い古着を着ている。それがこじんまりした手作りの店の雰囲気にフィットして、こちらもなんだか居心地が良くなる。サーフキャリアと自身が経営するショップを通じて、日本の女性サーフィン界を押し上げてきたRyobay。同じくプロサーファーの瀬筒雄太との結婚、妊娠、出産という人生のステージが変わる中でサーフィンに関する考え方や付き合い方はどう変わってきたのか? 女性としてこれまで聞きたかったことをぶつけてみた。


サーフィンをはじめたきっかけは?
東京出身なんだけど、父がいすみ市でサーフショップを営んでいたからサーフィンを始めるのは自然の流れだった。最初はボディボードで、波がすごく小さいときにスポンジボードで遊ぶことがあって。初めて立てたときの、首の周りを風が通り抜けていく気持ち良さは今でも覚えてる。そこからロングボードにハマりだしたのかな。

その後どうやってお店をオープンするまでに?
高校を卒業して3ヶ月間ハワイに行って、そのあと顔見知りも多い千葉に移住したの。とにかくサーフィンしたくて。2店舗目のサーフショップをやっていた母から、お店をそろそろ引き継いでほしいと言われたけど、継ぐにも自分の中ではとても葛藤があった。シェフにもなりたかったし、お店をまわすなんて知識ゼロだし……。だけどなんとか自分が楽しく心地よくお店を受け継いでいけるようにカフェを併設して新しい形に持っていった。「SuperPrettyCozyShopR.」って名前を付けてこの場所で7年間。振り返ると好き放題がむしゃらにやっていたと思う。”だから今の自分がある”と思えるけどね。楽しくもがいていた時代でもあると思ったけど、よく考えれば今も同じ。人生ってそういうことなのかな。

-現在のお店、YRになったのは結婚後ですよね。
そう、ちょうど震災の後だった。雄太は福岡が実家で、当時鎌倉のショップで働いてたから結婚するときに住む場所の選択肢が3つあったの。でもここを閉められなかったからYRとしてリ・オープンすることに。今はYRも6周年を迎えて、また次のステップを話しているところ。

結婚前後で変わったことは?
結婚前は“プロサーファーりょうべい”としてがんがん前に進んでたかな。トリップも、海外の試合も、撮影も自分からオファーしたり精力的だったな。お店はそれまでマイペースにやってたけど、結婚後にはちゃんとお店をやってかなきゃという責任感みたいなものが生まれた。

30代に入って転機みたいなものもありましたか?
ありましたね。30~31歳くらいのとき、一時期すごく気分が落ち込んじゃったことがあって、昔行ったハワイにもう一度行くことにしたの。高校卒業後に滞在していた同じ家、自分の原点のようなところに。あのときのエネルギッシュな感覚を感じたくて、ひとりで10日間くらい過ごした。今でいうリトリートみたいなイメージかも。プランなんか何もなかったから、自分の考えだけにフォーカスできた。

第一子を妊娠したとき、サーフィンと離れるのは怖くなかった?
それまで海ばっかり入ってたから、サーフィンは満タン。全然大丈夫だったな。周りを見てると、復帰したときに波に乗れなくなってたらどうしよう、とか不安がある人が多いみたいだけど、妊娠・出産にはそれ以上のものあるから絶対大丈夫。

-妊娠中のサーフィンがものすごく気持ちよかった話、前に教えてくれましたよね。
安定期に入ったある日、たしか9月とか10月で気候も天気も良くて。波も小波で穏やかだったの。今日やってみようかなって感覚でウェット着てみたらギリギリ入ったから(笑)。ニーパドルで沖まで出て、ただ立ってスーッて滑ってるだけなんだけど、自分ひとりじゃないから重みも加わるし安心感・安定感、2人一緒の幸福感がすごかった。重みがサーフボードにも伝わって、これまでにないグライド感も味わえて。ひとりでヒュー! とか言っちゃって(笑)。最高だったな。

どのくらいの期間でまた復帰したんですか?
生まれてから2、3ヶ月後に海に入った。雄太とはビーチで交代で子守して、30分くらいでパッとあがる感じ。授乳と子育てがメインだから、生まれる前みたいにがんがんサーフィンする感覚はないかな。

-海に対する向き合い方が変わってきた?
そうね。出産前後で海に対してもっとチルに向き合うようになったかな。“プロサーファーとしてのりょうべい”というよりも“母としてのりょうべい”に自然とシフトした。

-出産後、ボードのチョイスは変わりましたか?
ミッドレングスがすごく楽しいってことに気づいたの! 軽くて持ち運びも便利だし、ノーズに行くセットアップを考えなくてもいい(笑)。今まさにミッドレングスのありがたさ、魅力を感じてる。ぜひみんなにおすすめしたいな。

-そこからまた第二子が誕生して。
下の子を産んだ後は少し早かったな。サーフィンしないと仕事にならない部分もあるし、すぐに復帰した。でもやっぱり子供がいると、そんなにすぐにペースは戻ってこないかな。下の子が2歳になって、やっと自分の中でペースを取り戻せた感じ。育児、家事、サーフィン、仕事のバランスを。

これからお母さんになるサーファーや海好きな女性、育児をがんばってる人にアドバイスを。
社会に出たいと思う人もいれば子育てだけしていたい人、それぞれいると思うんだけど、なんとなく自分の役割が見えていたほうが自分らしさを取り戻せるんじゃないかと思います。忙しい日々の中だと見失いがち。自分らしさを大切にしていてほしいですね。

Ryobayにとっての自分らしさって何ですか?
性格的に我慢したり気を使ったりしがちなんだけど、それを素直に表に出すことかな。サーフィンの仕方もそうだし、子供に対してもそういう風に向き合う。たまに4歳の娘と本気のケンカをすることもあるくらい(笑)。


Ryobay(りょうべい)/YRオーナー・プロロングボーダー
日本を代表する女性スタイルサーファーのひとり。千葉県いすみ市の太東ビーチで夫の瀬筒雄太プロとともにサーフショップ「YR」を営む。二児の出産・子育て中のブランクを乗り越えた後で、サーフィンのおもしろさをさらに実感中。

photography & text:Alice Kazama