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【連載】地球の今、海の今を知る|Vol.37 Ocean First~海を愛する旅人として

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国内外にはドルフィンスイムやホエールスイム、ホエールウォッチングなどを体験できる海がいくつもありますが、動物たちの性格や暮らしぶり、水中でのルールやスタイルは場所によって異なります。以前はゆっくりと広まっていた情報も、今はSNSでいっきに世界中へ拡散され、押し寄せた観光客の多くは、海洋生物への適切なアプローチやルールを心得ないまま、被写体めがけて猛ダッシュしたり。イルカやクジラだけでなく、海の生き物に出会えた興奮から執拗に追いかけ回し、闇雲に近づいて触ったり、その様子をSNSに投稿しては注目や非難を浴び、なかには接近しすぎて逆に噛まれたりケガをする人も。せっかく海に入っても自撮りスマホやカメラしか見ていない、そのままサンゴもボキボキと壊してまわる人たちなど、目に余る光景はあちこちでたくさん見かけます。そんな観光公害を痛感してきた現場では、海を思いやって「情報発信は最低限に」「利益至上主義な宣伝や、SNSでの紹介はしない」というスタイルも広まっています。

海での体験や海洋生物との邂逅は、胸の奥にある何かを大きく揺さぶるほどの感動と、自然への畏怖を胸に刻み込めるひととき。けれども、人間だけが満足して、あるべき自然美や豊かな営みが損なわれるのなら、なんにも楽しくなんてない……私にはそう感じられてやみません。動物たちのほうからフレンドリーに近寄ってきてくれたときには万々歳で遊ぶけれど、基本は邪魔をしない、傷つけない、タッチもしない、彼らを尊重できる程よい距離感で、海とそこに暮らす仲間たちの日常を最優先に思いやる、そんなNature First、Ocean Firstな姿勢を大切に、海を旅するようにしています。

text:Ayako Minato