
千葉屈指のロングボードポイント、太東で5月末に行われた『DEUS WOMENS × YR ONE DAY SURF SESSION』は、太東のサーフショップYRとDEUS WOMENSが主催を務める参加型イベント。どんなボードも乗りこなすハワイ出身のスタイリッシュサーファー、シエラ・ラーバックと、YRのオーナーで日本の女性ロングボードシーンを牽引する“Ryobay”こと瀬筒良子とのサーフセッションをはじめ、サーフィンに関するアドバイス、BBQにお土産も付いた豪華コンテンツ盛りだくさんのイベントだった。
HONEYではそんなシエラにインタビュー。イベントのこと、波のこと、Ryobayのサーフィン、今のライフスタイル、憧れのサーファーなどなど……サーフィンですっかり冷えた身体を、季節外れのコタツで温めながら話してくれた。

-ヌーサには、いつ移住したの?
2019年の2月頃から1年くらい住んでた。2020年3月に一度ハワイに戻ったんだけど、コロナの影響でどこにも行けなくなっちゃって、すべてがシャットダウンされる直前の最後の便でオーストラリアに戻ったわ。それまで旦那さん(ザイ・ノリス。こちらもスタイリッシュサーファーとして有名)と4年間遠距離恋愛をしていたから、彼の育ったオーストラリアに移住することにしたの。

-ハワイの女の子がオーストラリアに移住するのって少し珍しい気もするけど、ヌーサのどんなところが好き?
ヌーサはハワイの生活となんとなく似てるの。スローなビーチライフ、ほとんどの人がサーフィンしていて、みんなフレンドリーで、小さなコミュニティ。多分千葉も同じよね。みんながみんなのことを知ってる。
-マウイとヌーサ、違うと感じるところは?
ヌーサのほうがロングボーダーが多いわね。波が優しくてフレンドリーだから。マウイの波はもっと浅くてリーフの、ロングには向いていない波なの。
-ハワイの少しハードな波が恋しくならない?
そうね、ときどき。ヌーサもうねりが入るとパワフルでサイズアップするの。でも人が多すぎるから、そういう時には育ったマウイの海が恋しくなる。海には人が少なくて、全員が顔見知り、みたいなのはやっぱり心地良い(笑)。
-もし次日本に持ってくるとしたらどんなボードをチョイスする?
Thomas Surfboardsのハリソン・ローチモデル9’6”。どんな波にも対応する、私のお気に入りなの。あとは5’4”のフィッシュ。ずっと同じボードに乗ってると飽きちゃうから。
-だからたくさんの種類のボードストックがあるのね。
そうなの。2週間も乗ってると飽きちゃって。ロングに乗ったら短いボードにしばらく乗って、またロングに戻って、みたいなのを繰り返してる。
-どうやって長いボードと短いボードを乗り分けてるの? みんなやりたくても、スタイルを変えるのがなかなか難しくてできないことだと思うんだけど。
ロングボードはフローに身を任せるかんじ。ショートボードはもっとアグレッシブ&パワフルに乗る。特に足を置く位置がすごく大事。ロングボードは前に行ったり後ろに下がってポジションを変えながらスピードをつけたり、ターンしたり。ショートボードは足の位置を変えない。それでも私も、ボードを変えて1本目の波はあれ? って感じになるの(笑)。だから最初の波はあまり何かをしようとしないで、だんだん慣れてくるのを待つようにしている。

-シエラはショートボードで育ったんだったよね?
そう。ずっとショートに乗っててコンペにも出てた。15歳くらいでロングの試合にも出始めて、そこからすっかりロングにはまったわ。ショートボードはみんなすごく試合にシリアスなんだけど、ロングはもっとファンでハッピーだったの。コンテストなのにみんな優しくてびっくりした(笑)。
-今はもうコンペという感じではないよね?
そうね、誰かがアグレッシブにサーフィンしてるのを見ると、どうぞ〜って気分になっちゃう(笑)。私はただ良い波の時に友達とハッピーにサーフィンしたり、トリップしたいなって思ってる。
-じゃあ次のもっと“チルな”コンテストへの出場の予定は?
6月に南アフリカでダクトテープがあるの。行ったことないから楽しみ。水は冷たいって聞いたんだけど……大丈夫かな(笑)。ハワイの暖かい海で生まれ育ったから、やっぱり冷たい水はまだ慣れないかも。
-他の旅の予定もあるの?
このあとFCSとDEUSのコラボフィンの撮影のためにバリに行って、ダクトテープで南アフリカ、サーフトリップでメキシコに行って、7月にハワイに戻る。飛行機にもたくさん乗って大変だけど、サーフィンもたくさんできるから楽しみ。メキシコは女子3人旅なの。フィルムグラファーも一緒に行くけど、楽しすぎて撮り忘れないようにしなくちゃ。
-夢のような生活。そんなシエラにも、ずっと憧れのサーファー、みたいな人はいる?
小さい頃から、ステファニー・ギルモアが大好きだった。人間としての素晴らしさがサーフィンに表れているのを感じるの。いつもナチュラルで、何か技をメイクしようというよりも、自然で完璧なクルージング。でもまだ本人には会ったことないんだ。旦那さんは友達とステフと3人でグレートバリアリーフのほうまでボートトリップしたことがあるらしいんだけど、まさにそれが私の夢(笑)。
-もし彼女に会えたらなんて声をかける?
興奮しすぎないように、あくまで自然な態度でファンって感じがバレないようにがんばる(笑)。話すとかじゃなく、ただ彼女のサーフィンを目の前で見たいな。
-ところで、あなたはサーフィンのスタイルもあるし、ダートバイクもするし、DEUSのイメージにぴったりだと思ったんだけど。スポンサードされるようになったのはいつから?
2022年のはじめから。サーフィンもバイクも好きなことだからすごく嬉しかった。特にDEUSのバリでのイベントは、サーフィンのあとにビーチをバイクで走れるから最高。日本のDEUSファミリー、オーストラリアのDEUSファミリーともいい関係を築けてるわ。
-最後に、何かHONEY読者に伝えたいことは?
私は本当に日本と日本のサーフシーンが大好きだってことを伝えたいな。みんなすごく優しくて、海の中でもみんな笑顔を向けてくれるから!

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