
Find the true love that sleeps in your heart
雄大な自然に囲まれ、世界自然遺産に登録された奄美大島。その地で昨年の11月、HONEYリトリートツアーが開催された。3泊4日で得たのは、本当の自分の取り戻し方。

鹿児島県本土と沖縄の間に位置する奄美大島は離島ならではの魅力がたくさん。温暖な気候で、透き通るようなエメラルドグリーンの海や、円を描くような白砂のビーチが美しい。海だけではなく緑も豊かで、国内では2番目の大きさを誇るマングローブや、亜熱帯の植物が多く残っている原生林など、雄大な自然が残っている姿はここでしか見ることのできない風景。
そんな景色を楽しみながら向かうのは、島最南端の場所に位置し、海と森に囲まれたウェルネスリゾートホテルTHE SCENE。HONEYリトリートツアーはここを拠点に行われた。白を基調としたシンプルながら洗練されたホテルは、全室オーシャンビュー。なので、外にいても部屋にいても解放された気分に浸らせてくれる。
ここで行ったリトリートツアーは忙しない日常を懸命に生きる女性たちにとって、かけがえのない時間だった。大人になると少しずつ自分を守るためのバリアを張り、周りとうまく調和しようとする。それは悪いことではないけれど、うまくいかないと感じたときにバランスを崩し、本当の自分を見失う。友達も家族もいるのに、どこか寂しい、物足りない。なぜそう感じるのか、自分はいまどんな魅力や強さ、弱さを持っているのか見直すために心を開く。それがリトリートの始まり。

参加者は、ほぼ全員がはじめまして。大人になってからの友達作りはハードルが高いけど、この場では自然と距離が縮まる。リトリートプログラムを共に考え、参加者に寄り添い、自分自身の内側を旅する手伝いをしてくれたのは、ヨガインストラクターのジュリ・エドワーズさん。カリフォルニアやハワイで得た世界観を生かし、ヨガやマインドフルネスの新しい取り組み方を発信し続けている。そんな彼女が今回提案するのは「Authenticity ―自分らしさ」。
まずは自己紹介で「Who are you」を客観的に捉える。旅の目的をみんなにシェア。自分の世界を広げるため、自分は何者かを見つけるため、日常から解放され自分を取り戻したいなど、様々な目的を持つ人が集ったこのツアー。これは今までどう生きてきたのかを人に伝わるよう表現し、相手の生き方や目的を知ることで自身も見直す時間。

3泊4日の中で内側を探究するジャーナリングはまだまだ続く。自分の価値観「Find your values」を考えるのも、自分らしさを取り戻すために必要なこと。価値観とは、やる気の源、行動の動機、そのために生きていると言えるもの。人は価値観に合うと、能力を発揮する。そのため自分の価値観を知り、合った選択をすることが、最高の人生だと思える生き方ができる秘訣。
このようにリトリートツアーでは自分内側と対話を深めていくのだが、ヨガで身体を解放するのも重要なアクティビティ。朝日を浴びながらのヨガは、その日のインテンション、体調、呼吸の深さを知るセルフメディテーション。また、星空の下で行うキャンドルヨガは一日を通して周りへの感謝をする時間。澄んだ夜空に現れた天の川を眺めながらのシャバーサナは大地と繋がり、地球の一員だと実感できる。朝晩のヨガを習慣化して感じるのは、日々出来ることと出来ないことの一進一退。緩やかな成長を楽む余裕を思い出す。焦らず生きる。それが大切。

他にも奄美大島の自然を堪能。ホテル前のプライベートビーチで、シュノーケリングやSUPでウミガメ探し。熱帯地方を象徴するマングローブをカヌーで探検。地球のエネルギーを感じるサーフィン。さらに〝神々が宿る木〟ガジュマルに会いにフェリーで加計呂麻島へ。複雑に絡み合いながらもお互い邪魔をしない幹の下で目を閉じ、深呼吸。五感を研ぎ澄まし心を解放。
奄美大島を体感し尽くした最後はジュリさんのジャーナリング、私たちは同じだと知る「Vulnerability」で締めくくられた。これは、恐れと向き合い、手放すことが目的。恐れと聞くとネガティブな意味に捉えがちだけど、実は隠し持った自分の強さ。まずは手を繋いで相手を見る。語らずに相手の目を見て、その瞳の中に映る自分を見る。相手は同じ人間で、同じ悩みがある人。一人じゃないということが体温と視線から伝わる。それは日常に戻っても、自分には味方がいると確信できる体験。リトリートを通じて見えてきたのは、自分の在り方と周りへの感謝。今ある環境や人は、最高の宝物。
(HONEY#33 より一部抜粋)
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