1. HOME
  2. LIFESTYLE
  3. フランスが産んだネオサーフアート「パンドラ・デコスター」の作品の優美さの秘密
LIFESTYLE

フランスが産んだネオサーフアート「パンドラ・デコスター」の作品の優美さの秘密

LIFESTYLE

スマートに、上品に、自由な感覚で波に乗る美しい女性サーファー。それは技術の優劣だけでなく、ファッションやマインド、 ライフスタイルにも表れています。ひと昔前のやんちゃなスタイルが、いまエレガントな方向にシフトしている。アート、フ ァッション、ライディングスタイル、サーフボードの4つのパートでお届けする「Surf Elegance」特集。今回は、 サーフアートの世界に優美な感覚をもたらすアーティスト、パンドラ・デコスターを紹介。カーヴィなラインとパステルカラー、フランスの静かな海町の風景……。絵の中の女性はいつも凛として、まさに思い描くエレガントサーファーの象徴だった。



あなた自身のことを教えて

母は画家、祖父母は’80年代のビアリッツでサーフショップを営んでいたの。私はずっとクラシックロングボードをやってきた。10代の頃はロキシーのライダーもしていたのよ。サーフィンは私の一部で、一番好きなことでもあるわ。好きなサーファーはハワイアンのヘイリー・オット。彼女はとっても優雅よね。いつも圧倒されるわ。

あなたの生まれ育ったバスク地方のことを教えて
バスクの人々はこの地にとても愛着を持っているの。土地の純粋さを守っていて、牧人という伝統に誇りを持っている。彼らがひとたび集まると、みんなでハーモニーを奏でながら美しい歌を歌うの。それに自然と家族に対する深い絆も持っている。春に行われるバスクのお祭りとダンスはとても素敵よ。ビアリッツは古くから貴族やアーティスト、ファッションデザイナー、ライターたちが訪れる町だったの。豊かなカルチャーがはぐくまれる小さな町。だからビアリッツの人々は根っこの部分に華やかさとかファンシーさを持ち合わせていて、今も世界中から訪れる人々を魅了し続けるの。サーフィン、バスクの文化、アール・デコの建築物、丁寧な生活。私たちをとろけさせるような素晴らしい場所とカルチャーがたくさんある。


–{どうやってキャリアをスタートさせたの?}–
どうやってアーティストとしてのキャリアをスタートさせたの?
幼い頃から絵を描くのが好きで、高校生の時にペインティングをスタートしたの。17歳でロキシーと働くようになったわ。写真を撮ったり、プロダクトを一緒に作ったり、イベントやショーをオーガナイズしたり、ショートムービーを撮影したり。22歳になると、自分の道を見つけるために冒険と仕事を兼ねて世界を飛び回った。2年前に画家としての道を見つけるまでの間ね。自分の“ミニマル”なドローイングのスタイルと“リアリスティック”なペインティングのテクニックをどうやって視覚的に表現するかをずっと模索していたの。インスタグラムは、私の絵を見た人がどんな反応をするのか知るのにすごく有効だったわ。今のスタイルのようにクリアなカラーを使って立体感のないフラットな景色を描き始めると、たくさんの人が絵を買いたいと言ってくれたの。そこからはトントン拍子、画家として本格的にキャリアをスタートできたわ。

あなたをインスパイアするものは何?
このバスクの土地、印象派(モネやルノワールなど抽象的なタッチ、光と色彩)、ナビ派(ポール・ゴーギャンの指導から誕生した、簡略化と平面性を強調する大胆な画法)、象徴派(人間の内面を描き出す。グスタフ・クリムトなど)、素朴派(アンリ・ルソーなど日曜画家たち)、1920年代のフランス、“狂乱の時代”とも呼ばれる「レザネフォール」時代のイラスト、感情や感覚、愛。


–{どうやってスタイルを確立させたの?}–

どうやってこのアートスタイルを確立させたの?
私の絵は昔からカーヴィーなラインが特徴だったの。パステルカラーを使おうと決めたのは2年くらい前。絵を描くことは自分の悲しさを表すためだけじゃない、人生を柔らかくするものでもあるって気づいて、道に迷う昔の自分を反映するような暗い色使いから明るい色に変えてみた。そこから人生が軽く、明るくなったわ。私にとって絵は何かを吐き出すだけじゃなく、メディテーションにもなっているみたい。背景はいつも目の前にあるビアリッツの景色。前までは座って、目に見えるビアリッツのありのままの風景を描いていたけど、今は自分の頭の中にあるイメージを描いているわ。

女性を描くにあたって、何か意識しているところはある?
そうね、私は女性の強さと美しさを絵の中に表現するのが好きみたい。景色も理想化してるわ。ユートピアのようにしたいから、人工的な部分はできるだけ排除して、美しいものだけを描き出してる。女性に関しては、自分でもなぜか分からないんだけど、いつもすごく背の高い、長い人物を描くの。ただ素早く、リアルに人物を描きすぎないのが好き。美のイメージを体現する、女性の誇りと強さを感じられるような人物の絵。なんていうか……綺麗な花が空に向かって高く伸びて、堂々としている様子、みたいな。

あなたの作品はフレッシュで、サーフアートとして新しい時代を切り開くように感じた
ありがとう。すごく嬉しいわ。女性が大きなログでサーフィンする姿を見るのがすごく好きだから、こういう絵になっているんだと思う。ログはとってもエレガントよね。時々、女性サーファーの世界はセクシーな描写が多すぎると思うことがあるの。もっと“詩的”であるべきだと思ってるわ。

Pandora Decoster
パンドラ・デコスター

フランス出身の28歳。ビアリッツで生まれ育ち、現在はゲタリーに住みながらアーティスト活動に励む。以前はROXYと契約もしていたフリーサーファーでもある。