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アナ・アーゴットの、オレゴンへの計画のない自由な旅 | My Northbound Road Trip 後半

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旅するサーファー、アナ・アーゴットが仲間たちと向かったのは、南カリフォルニアから 少し遠いオレゴン・コースト。なんの計画もない自由な旅だ。 ただ勘を頼りに波を求めバンを走らせるだけ。好奇心と冒険心を乗せて……。アナの旅の記録、後半。


生い茂る木々、小川、トレイル……オレゴンの大自然に抱かれて

旅の仲間のひとり、スカイラーが到着した翌朝、アナたちはヘイスタック・ロックへ向かう。その日は晴天、波はグラッシーで15フィートもあった。彼らは小さめの波を選び、ショート・サンズという南にある波でサーフィンすることになった。みんなで整ったヘッドハイの波を一日中楽しみ、潮漬けになりストークした。当初心配していた海水温も温かく、カリフォルニアよりほんのちょっと冷たいだけだった。その夜はキャンプ。トルティーヤに包んだグリルド・ベジタブルを堪能し、翌日も完璧な波でサーフィンできるのを夢見て眠りについた。

「印象的だったのは、針葉樹が海岸に並んでいたこと。ビーチの針葉樹は私にとってはちょっと異質で、南カリフォルニアのヤシの木とはすごく対照的に思えた。その奥に滝もあったわ。ビーチまでの道のりは長いけど、木々が生い茂り緑豊かだった。小川を渡って小さなトレイルを抜けた先に崖に守られた湾が開けたとき、冒険しているって実感したわ」

すべてが人口的に整えられているカリフォルニアでは、かつてそこに自然があったことすら忘れているかのように人びとが暮らしている。しかしオレゴンでは人が土地とともにあり、自然を受け入れ共存している。アナはオレゴンの自然に抱かれ、その絶対的な存在に圧倒されながらも、徐々に心地よさを覚えていった。

今回の旅でアナたちは、オレゴンに暮らすサーファーとの交流も楽しんだ。そのひとりがアーティストのヤスミナ・デディジュール・スモール。彼女は数年前4ヵ月かけてヨットで太平洋を縦断し、サーフィンしながら冒険をした経験を持つ。いまは夫ジェイミーと息子サッシャと愛犬モハビと海辺の町で暮らしている。彼女の一連の作品はオレゴンの風景とシースケープを映しだすもので、それはアナに森を連想させた。若い旅人たちはヤスミナのスタジオの下の部屋で寝泊まりさせてもらった。

–{旅は人生のレッスン。新しい自分に会うための}–

旅は人生のレッスン。新しい自分に会うための

この旅で出会ったもうひとりは、ナイフ・ブランド「レザーマン・ツール」のリー・レザーマン。「リーと私たちは夕食に、野生の杏茸やカレー、野菜のグリルを作ったの。食事のあとは一晩中リーと彼の隣人たちが演奏するオリジナルの歌やニール・ヤングなどを楽しんだわ。彼らの奏でる曲の美しさに誰もが驚かされた。リーは数エーカーの土地に住んでいて、"サーフ・モビール"に改造したスクールバスを持っていたの。バスには私たち全員がぐっすり眠るのに十分なベッドが備わっていて、私たちはそこで休んだ」

翌日、リーといつくかのポイントをチェックし、灯台のそばのライトとレフトのファンな波をみんなでシェアした。リーと別れたアナたちは、ワシントン州との境にある川でビッグスウェルのときに小さくてファンな波が立つことを聞き、さらに北上し、その近くで一晩を過ごす。「今回オレゴンの自然が想像以上に厳しいことを学んだ。オレゴンは通年、雨が多く、土砂降りの雨の音で夜中に目覚めたことが何度もあったわ。だから天気がいいと人も植物も動物も興奮しているのを感じた。透明な海が明るく輝き、心地よかった。太陽がいかに大切かを知ったわ」

翌日早朝、川のポイントを見つけるために雨のなかを出発する。夜が明けたころにはすでに全員が泥だらけになっていた。雷雨のなか、河口のポイントのあたりでパーフェクトな小さい波がめくれているのを見つけた。誰もがウェットスーツに着替え我れ先にパドルアウトし、淡水のパーフェクトな波を楽しんだ。サーフィンしている間も稲光りがずっと鳴り響いていた。それはアナにとって一生忘れられない体験となった。サーフィンのあとはみんなでポートランドに戻って街を散策し、有名なパウウェルズ・ブックの古本コーナーで何時間も過ごした。スカイラーとダニエルとトロイを空港まで送るときも、まだ雨は降り続いていた。

オレゴンから南下するときは、旅の終盤の余韻を楽しむかのように少し時間をかけた。北カリフォルニアのレッドウッドのなかのテントで何泊か寝て、ビッグ・サーで素晴らしい波をあて、サンタバーバラを経て慣れ親しんだマリブへ……。「旅は日常から抜け出し、新しい生き方を学べるもの。旅の経験豊な人はどんな環境でも幸せを見つけられるし、自分のやり方に執着しない。頭を柔軟にし、新しく学んだことを人生に応用する。私も旅が終わって気づいてみると、新たな気持ちになっていた。この旅で感じた一瞬一瞬を、これからも大切にしていくわ」


Anna Ehrgott
トパンガ・キャニオンで生まれ育ち、マリブやトパンガ、ほかにも南カリフォルニアの波のいいポイントをホームにしているガールズ・サーファー。サーフボードを抱えつねに旅をしている。


掲載:HONEY Vol.6
※内容は掲載当時のものです