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極寒の地のパーフェクトな波と景色 | The Icy Waves #03

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Lena Stoffel from GERMANY
極北の自然がキャンバス。雪と波にラインを描く

レナ・ストッフェルは、オーストリアに住んでいるプロフェッショナルフリースキーヤー。幼少期からアルペンレースに臨み、フリースキーヤーに転身してからは世界を見据えてスロープスタイルという競技に没頭していた。これまでずっとスキーが人生の一部だった彼女がサーフィンにはまったのは、突然のことだった。今ではスキーと同じくらいサーフィンにも情熱も傾けている。

オーストリアには海がないから、フランス、ポルトガル、スペイン、イギリス、ノルウェーなどヨーロッパ他国に出かけてサーフィンを楽しんでいるという。山でのスキーと海でのサーフィン、シーズンも行く場所も真逆に思えるが、レナは1回のトリップでその両方を同時に叶えてしまうことも。自らディレクションした映画『Circle of the Sun』の撮影で訪れたノルウェーがその良い例だった。1ヶ月滞在した島は春だというのにものすごく寒く、まだ山には雪がしっかり残っていてスキーにとっても完璧だったし、波もコンスタントにあった。スキーで滑走した先には大きな湾があり、下まで滑り降りたらサーフィン。そんな風に毎日を過ごした。

「極寒の地でサーフィンに出かけるのは強い意思と気力が必要なんだけど、そこには気持ちを奮い立たせてくれるパーフェクトな波と景色があったの。私たちがサーフィンしていた大きな湾はほとんど風の影響を受けることがなかった。レフトとライトと両方あって、湾の中心はビーチブレイク。急勾配の山に囲まれた最高のロケーションだったわ。ある日その湾でローカルたちとセッションをしたんだけど、クリーンでメロウなロングボード向きの波に、ずっと続くんじゃないかと思えるような長い長いサンセットが輝いて本当に綺麗だった。ローカルも優しくて、みんなハートがすごく温かいの。外気は冷たくてもね」

ずっと自然と触れ合うスポーツをしてきた彼女にとって、大自然そのものがエネルギーの源になっている。「壮大な景色が私の心を揺さぶるの。寒さを乗り切るだけの価値があると思わせてくれる。それに氷水のような海に入っていると生きていると強く感じるの。それが原動力になって、心配や葛藤を超えてくる。完全フル装備してればそんなに寒くないしね」

怪我によって選手としての活動にピリオドを打ったレナは、映像制作に力を入れるようになった。オーガナイズからフィルミング、編集までほぼすべてを行った。その経験から自分の中に写真と映像へのパッションを見つけることができたそう。「ほとんどセルフでやっているから大変な時もあるけど、冒険しながら暮らしているこの自由な生き方が好きだし、大自然の中では自分らしくいられるの。インスピレーショナルな冒険の映像を通して私のスキー、サーフィン、自然に対するパッションを伝えたいと思っている」。

–{レナへのQ&A}–

極寒の海に入る時のティップスは?

手と足はしっかりカバー。末端が全体温を左右するし、海の中にいられる時間の長さも変わってくる。海上がりには風を避けられる着替え場所の確保をして。できればホットティもね。

お気に入りのシークレットスポットはある?

シークレットだから言えないけど、もちろんある。数年前の3月に北海道でサーフィンした時も、すっごく素敵な場所に行ったの! これもどこだかは言えないけどね(笑)。北海道大好き。

寒さに備えてトレーニングは何かしてる?

特にしてない。ヘルシーでフィットした身体でいることが大切だとは思う。私の場合、スキーのトレーニングが役立ってるかも。あとは外に出て自分の好きなスポーツを心から楽しむだけ。



寒い海に入る時、一番辛いことは何?

北極海で何が大変かと言えば、やっぱり天気ね。当たり前だけど、とにかく寒い(笑)。雨や雪が降ったり、風も強かったり。でもそんな天気の中でも、時には嵐の時でさえ波はパーフェクトなの。


掲載:HONEY Vol.27
※内容は掲載当時のものです