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海を感じるジャズギタリスト・小沼ようすけ|自分の表現を出し切ったときに始めたサーフィンの存在

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音を紡ぎ、波に乗る。演奏するのも、波に乗るのも“即興”、そして、海は自分と対峙し、リセットしてくれる場所だという。大切な海の存在について語ってもらった。

第1回ゲスト
小沼ようすけ



HONEY(以下、H):2001年にデビューして、現在では「海を感じる」ジャズギタリストとして活躍中の小沼さん。「音楽とサーフィンとの関係性」や、ジャズギタリストになったきっかけ、サーフィンを始めたきっかけは?

小沼ようすけ(以下、O):
プロミュージシャンを目指して音楽専門学校に通っていたとき、ジャズの授業で全く弾けなくてショックを受けたんです。落ち込んで夏休みに帰省した際、父親がたまたまジャズのアルバムを車の中でかけたんです。自然な流れで反応して、僕が目指すものは「ジャズだ!」と、18歳の夏休みの一日で人生が変わったんです。

H:2006年にサーフィンを始めたんですよね?

O:
アルバムを5枚リリースして、ちょうど自分の表現できることを出し切ったときでした。僕は日本海育ちなのですが太平洋に憧れていて、葉山に移住する3年くらい前、ビッグウェーバーの佐久間洋之介くん(2006年不慮の事故で他界)に出会ったんです。彼が醸し出す空気感が特別で、それでサーフィンに興味を持ったんです。音楽を演奏するだけでなく、自分らしさ、景色がほしかったのかもしれません。サーフィンを始めて10年ぐらい経ったとき、ライフスタイルが音に表れるんだと知りました。僕の演奏から「海を感じた」と言われると、いまの人生を選んでよかったと思います。

H:海のある暮らしが、小沼さんの音楽に影響を与えたということですね。

O:
サーフィンを通じて、その時、その場所でしか起こらないことを楽しむという経験をし、即興演奏に通じると感じたんです。毎日見る夕陽の色が違ったり、波が違ったり……それは演奏する会場やお客さんを見て変えるのと同じ、そのときだけの表現と同じだなって。サーフィンで得た経験は、自分を核心へと導いてくれる原動力になりました。湘南出身ではない僕は、今でも海に入るとき“おじゃましている”という感覚になります。それはツアーのときも同じで、音楽もサーフィンもローカルリスペクトが大切だと、その考え方をサーフィンから学んだように思います。

H:音楽自体も変わりましたか?

O:
葉山に住んでみて気づいたことは、よく晴れた日の静かな海もあれば、大荒れの海もあり、それらすべて同じ海として受け止めるということ。様々な風景にフィットできる音を表現できるようになりました。また海の近くで生まれた音楽にも興味を持つようになりました。その土地に実際に足を運び、体感できたら最高だなって、思うようになったんです。その夢を叶えたのが、フレンチ・カリビアンのミュージシャンとのコラボレーションでした。NYのジャズアーティストのコンテンポラリーアルバムで、グアドループ島(カリブ海のフランス海外県の一部)のトラディショナルリズムGwoka(グォカ)、独自の民族音楽を知ったんです。“グアドループ”ってネットで検索したらサーフィンができると知って、このリズムと一緒に音楽をやろう!と。パリでレコーディングした後8時間かけて行き、念願のカリブ海で波乗りをしました。

H:まさに旅して、サーフィンして、音楽をつくる、ですね。ところで、HONEYのオリジナル映像で届けるYouTube作品の音楽制作を担当してくれましたね?

O:
映像を見ながら演奏するのは、今までと違ったアプローチでいい経験でした。自分のギターと向き合って意識を浮遊させていく、みたいな感覚です。即興で演奏しているとフレーズやアイデアなどいろんなものが流れてくるんですが、集中しているときって宝物がわかるんです。マンハッタンビーチの映像、すごくよかったです。ぜひたくさんの人に聴いてもらいたいです。

–{とっておきの想い出}–
とっておきの想い出


3回目の楽園パプアニューギニア(2015年)、パリでレコーディング後に念願のグアドループでサーフィン(2016年)


グアドループ島北部のポイント、憧れていた民族リズム“グォッカ”の本拠地でのサーフィン! 目的達成の瞬間


パプアニューギニアのサーフキャンプがあるテュピラ村にて。サーフィンの後に浴びた雨水タンクからのシャワー。村人たちの自然を生活に生かすアイデアに感動


パプアのかわいい子供たち、ギターを早く弾くと何故か大笑い


グアドループ島サーフキャンプ前のサンフランソワ。インサイドまで欲張るとウニ地獄が待っている!


Yosuke Onuma
ジャズをベースに様々な国を旅して得た影響や経験を音楽に取り入れながら、世界を音で繋ぐギタリスト。来春リリース予定のギター 1本で自身のLIFEを表現するソロアルバムを制作中。


LATEST ALBUM
Jam Ka 2.5 The Tokyo Session
小沼ようすけ
(Flyway LABEL)
フレンチ・カリビアンのミュージシャンとのコラボレーション・シリーズ。NY(「JamKa」2010年)、パリ(「Jam KaDeux」2016年)に続き、最新作は東京録音。2017年のジャパンツアーの直後に東京のスタジオにて、ライヴ・セッション形式で録音。世界規模でアップデートされる小沼ようすけ流クレオール・ジャズ!

–{海を見ながら聴くと気持ちいいアルバム2選}–
海が似合うアルバム


「海を見ながら聴くと気持ちいいアルバムを、生楽器系とエレクトロ系で2タイプ選びました」


レイ・バービー・ミーツ・ザ・マットソン・ツー +
レイ・バービー・ミーツ・ザ・マットソン・ツー
レイと双子ジャズ・ユニットがコラボ。ギター2本の揺らぎ、生々しいセッションがとても有機的。メロディセンスも抜群。サーフ、スケートボードカルチャー発信のジャズギターアルバム
RAY BARBEE MEETS THE MATTSON 2+/RAY BARBEE MEETS THE MATTSON 2(RUSH! X AWDR/LR2)


フロム・ペール・ハンズ・トゥー・ウイアリー・スカイ
ダルシャン・アンビエント
長年の愛聴盤。無機質でありながら感情にアプローチするメロディが心地いいエレクトロニクス・アンビエントアルバム。海岸線のドライブにもおすすめの1枚
From Pale Hands To Weary Skies / Darshan Ambient(Spotted Peccary Music)