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物と間、コレクターとミニマリスト「価値観が正反対」のふたりが暮らすのに不思議な統一感のあるインテリア

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世界のBEACH HOUSEを連載で紹介していく企画の3軒目は、フランス・ビアリッツの隣町、歴史あるバイヨンヌの築100年以上の家。ここに住む価値観が正反対のカップルは、観葉植物を上手に活かし、物を大切にしながら暮らしている。

from BAYONNE
Justine & Juan
< journalist / creator >


風情ある佇まい、グリーンの使い方がお手本


階段の上に設えた本棚。背面を透かして風や光、声を通すように仕上げた。白フチのサングラスは、ジュアンがオジー・ライト(カリスマサーファー)と一緒に仕事をしたとき本人からもらった想い出の品。2012年の出来事


換気扇の一角に同じタイプの観葉植物を集め緑のカーテンに


オレンジ色はジュスティンヌの好きなビタミンカラー。椅子は’70年の代物で、アンティークショップで見つけた。テーブルは友人の祖母が持っていたものを譲り受けたそう。物の品定めは基本直感頼り
–{ジュアンが一目惚れした床のアンティークタイル}–

ジュアンが一目惚れした床のアンティークタイルを活かすために、上にはできるだけ物を置かない。メリハリある空間が出来上がった


ジュアンが主催する音楽グループ『Musique d’Aperitif』はレコードを多用する。勾配天井のデッドスペースをサウンドルームとして使用している


数あるコレクションの中から飾るのは何度も仕事を共にしたRYAN ADI PUTRA。以前ビアリッツで仲間と主催していたサーフイベント「SVRF PVNK」でもメインビジュアルを描いてもらった、思い入れのあるイラストレーター


アートとミニボードは同じKOOPA TATTOOの作品で、木のボードはジュアンと友人の工房「WOODIART」が製作。ジュアンは常に複数のプロジェクトを同時進行させている。アートや作品は資料でもあり、気づくとどんどん溜まっている


スカルのスケートボードでまとめて“Rock & Roll”

–{ジュアンはサーフィンを覚えたサーフボード}–

味のあるサーフボードは、ジュアンの母親が若い頃に父親に贈ったストーリーのある宝物。ジュアンはこのボードでサーフィンを覚えた。小道具屋で見つけたモロッコ絨毯がアクセント


梁と同じ質感の木材を探し、同じ太さにカットして横付けすることで手作りのボードラックが完成。コレクションしているのは、短くてワイドなショートボード。サーフボードを見ればスタイルが想像できる


玄関から繋がる階段を起点に立つと、そこを囲むように部屋が設けられ、ぐるりと全体が見回せるようだ。部屋数も多いが同時に開放感もある風通しのよい家。ジュスティンヌ&ジュアンの若きクリエイターカップルは、リビングの床に施されたアンティークタイルに惹かれ、約一年前にビアリッツから引っ越してきた。

「建物は1900年に造られた、元々ポルトガルのお金持ち家族が住んでいた一軒家。それがリノベーションされ、今は三世帯が入居している。僕たちが住むのはその最上階だよ」

その他にも、かなり年期が入ったポルトガル調タイルなど、気に入った部分は残し、そうでないところは少しずつ自分たちの手で改装している。“一番の自慢”が壁のように、リビングの一面を覆う本棚。元々階段上の何もなかった空間に目をつけ、オーダーメイドで設えた。

「最初から棚の幅、高さは決めてつくったの。あらかじめ本を選び長さごとに分類しておいて。地元の家具デザイナーに作ってもらい、上手くいって大満足よ。これがインテリアでこだわった唯一なの」

続けてジュスティンヌは、少し申し訳なさそうに言う。

「実はインテリアにテーマはないの。計算したのは本棚だけ。私たちはタイプの違う人間で、彼はすごく物が多い。収集癖があって衝動買い王。それをどう整理しながら収納するか……。私は物をあまり持ちたくないタイプ。共通のテーマは見つけられないの(笑)。だけどお互いを認め、譲り合いながら一緒の空間を作っている。でも今のところは私の方が多く譲っているけれどね(笑)」。

本人たちは意図せず感覚だと言うが、目に入る家具はウッドのアンティーク品でまとめられ、統一感がある。一般的には部屋の中央に置かれる食事用のテーブルセットは窓際にぎゅっと寄せた。すると、過ごす時間が一番長いというリビングのソファから、“お気に入り”の床タイルがしっかりと視界に入る。タイル貼りされた床をアートと捉え、その空間を堪能している。また各部屋のポイントになっている観葉植物は法則を持って配置されている。それは直に置かないこと。台や物など何かしらを土台にするか、ハンギングだ。

「それは人から言われて気づいた。僕は単純に物を捨てきれなくて(笑)、物の上に植物を置いたのが始まり。でもそれが良かったみたい。物の上に置くことで、葉っぱの位置が目線の高さになる。そうするとグリーンを最大限に享受できる」

観葉植物担当はもっぱらジュアン。毎日話しかけ愛情を注いでいる。フランスでは大抵インテリアの主導権は女性だが、彼女は視覚遊びに長けた彼のセンスを信頼している。今はバスルームと2人の作業場を改装中。物と間、コレクターとミニマリスト、相反するものをうまく共存させていくだろう。また、グリーンをうまく活用しながら。

–{デスクに置いたグリーンの視覚効果}–

壁を取り外し部屋を拡大させたアトリエはまだ改築途中。大きな植物は葉だけが成長したモンステラ。デスクの上に置くことで、植物自体を大きく見せる効果あり。目線はそこに集中し、部屋の散らかりは目立たなくなる


ベッドステップにしているのは’70年代のスピーカー。捨てられていたのを自分たちで綺麗に掃除し再生させた


本棚がない状態を想像すると全く違った雰囲気になるリビング。製作はPierre Barreri。味のある年代物が多いが、観葉植物はそれらに現役でいる役割を与えている