HONEY

2020.10.28

SUSTAINABLE

NO EARTH, NO US 地球とわたしに「もっといいこと」Vol.1

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連載企画「No Earth, No Us」は、海洋プラスチック問題について取り上げています。「今この瞬間も毎分トラック1台分、 約15トンものプラスチックが海に流れ出していて、今日もどこかで愛しい海の仲間たちが犠牲になり、私たちも知らずに 摂取し続けている」。衝撃的な内容も多いが現実から目を逸らさず、出来ることから行動に移したい。環境活動家であり、日本初のプラスチックフリー専門店「エコストア パパラギ」を主宰する武本匡弘さんのインタビュー、 世界規模で調査・啓蒙活動をする国際環境NGO団体「グリーンピース・ジャパン」に聞いたプラスチックのウソとホントの話など、脱プラスチックへ背中を押されるヒントが満載の特集を4回に渡ってお届けします。



無条件に恵みを分け与えてくれる地球を、私たちはどれほど一方的に苦しめてきたのだろう。
プラスチックだけを見ても、世界中どこを探しても汚染のない海は、きっともう存在しない。
本誌でもたびたび「海洋プラスチック汚染」をフィーチャーしてきたけれど、それはもう、“海だけ”の話ではなくなってしまった。
気づけば陸・海・空のすべてに、大地や陸上動物、雨や雪、極地の氷、そして大気にも、エベレストの山頂から深海の果てまで、この星を巡る水と風が届く場所ならどこへでも運ばれて、地球の大いなる循環システムがもうここまで、プラスチックに蝕まれてしまった。
スモッグ状のプラスチック粒子が花粉のように宙を舞い、雨水には色とりどりの合成繊維。
自然界はプラスチックや化学物質を浄化処理する力なんて持ち合わせていないのに、人々はこのたった数十年で、地球が背負いきれないほどのプラスチックを作って使って捨て続け、豊かな生態系を脅かし、ときには100kgものプラスチックを胃袋に抱えて亡くなるクジラまで……。
推測では、海に流れ出たプラスチックのほとんどは海底に沈むとされているけれど、実態が把握できているのは、これまで海に流れ込んだとされる総量のうち、たったの1%。
残り99%は行方不明の「ミッシング・プラスチック」と呼ばれていて、専門家ですらいったい何がどこに溜まっているのか、いまだに分かっていない。
確かに言えるのは、私たち現代人のライフスタイルこそが汚染の源で、すでに流れ出たプラスチックのすべてを海から除去することは、もうできないということ。
今この瞬間も毎分トラック1台分、約15トンものプラスチックが海に流れ出していて、今日もどこかで愛しい海の仲間たちが犠牲になり、私たちも知らずに摂取し続けている。
「自分」は“自”然の“分”身だから、自然を汚せば、もちろん自分たちだって苦しむことになる。
たとえ「自然が好きだから」と非日常で大自然に癒されて、自分の心は満ち足りたとしても、日常に戻ればまた海を、地球を汚す暮らし方なら、それってほんとうの「愛」じゃない。
いつもの日常から自然を愛せるように、今回はプラスチックをいろんな角度から見直してみよう。
身近には「プラスチックじゃなくてもいいもの」「使い回せるもの」がたくさん溢れていて、コロナ禍でもみんなが使い捨てマスクをやめて、布マスクを繰り返し使う習慣が広まったように、大量生産・大量消費・大量廃棄の悪循環を卒業することって、誰でも手軽にできること。
マイボトルやエコバッグも当たり前になれば、サステイナブルって何も特別なことじゃなく、大切に愛用したいモノがあれば「使い捨てプラスチックがないと不便」だなんて微塵も感じない、むしろ「海に恩返しできた」という爽やかな喜びが、なんだかやけに心地がよくて。
そもそもプラスチックが、使い捨てが、ほんとうに「便利で役に立つ」ものだったのか、地球もわたしもハッピーになる「ほんとうの豊かさ」っていったいどういうことだろう?
今回はそんなテーマも掘り下げながら、みんなでいっしょに考えてみたい。

photography:Sachi Murai composition:Ayako Minato

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