HONEY

2020.11.18

SUSTAINABLE

NO EARTH, NO US 地球とわたしに「もっといいこと」Vol.4

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NO EARTH, NO US

連載企画「No Earth, No Us」は、海洋プラスチック問題について取り上げています。「今この瞬間も毎分トラック1台分、 約15トンものプラスチックが海に流れ出していて、今日もどこかで愛しい海の仲間たちが犠牲になり、私たちも知らずに 摂取し続けている」。衝撃的な内容も多いが現実から目を逸らさず、出来ることから行動に移したい。
最終回の4回目は、世界規模で調査・啓蒙活動をする国際環境NGO「グリーンピース・ジャパン」プラスチック問題担当の大舘弘昌さんに、一歩踏み込んだプラスチックのウソとホントを教えてもらった。脱プラスチックへと背中を押される、意外な盲点やありがちな誤解、日本と海外の動き、ほんとうに役立つヒントなど、ぜひ参考にしてみて。



もっと知りたい!
プラスチックのウソとホント
プラスチック問題は知れば知るほど多面的で難しそうだけれど、私たちができる一番の解決策はとてもシンプルなことだった。


Q. 世界の汚染状況、今の印象は?
A. 海も陸も調べればプラスチックが出てくる今は、こうして呼吸しながらもプラスチックを吸い込んでいるかもしれず、海ではクジラなど海洋生物の被害も数えきれません。今年7月にもバングラデシュでウミガメ約160匹が打ち上げられ、大半がプラスチック製ボトルや包装、漁網などに絡まり負傷、瀕死、死傷という前代未聞の光景が。年々こうした悲惨なニュースが増えるばかりで、食卓に並ぶ魚介にも合成繊維やプラスチック片が含まれる状況です。

Q. 魚介を食べる以外にも摂取している?
A. 日常の意外なところでも、プラスチックは私たちに返ってきています。たとえば2018年、世界の食塩ブランド39品目を調べたところ、9割の食塩からマイクロプラスチックが検出されました。他にもペットボトル飲料水や水道水、合成繊維を使ったティーバッグも、熱湯に入れて飲み物を抽出すると1袋につき100億個以上ものマイクロプラスチックが放出されるという結果も。プラスチックに含まれる添加剤の健康被害も未解明だからこそ怖さを感じます。

Q. プラスチックは温暖化の原因にも?
A. プラスチック問題は実にいろんな側面があり、世界が脱プラに向かっている理由も、気候変動と深く関わっているからです。プラスチックは石油の採掘・生産・販売消費・廃棄(焼却・リサイクル・埋め立て)の全工程でCO2が大量に排出され温暖化の原因に。最近の研究では自然界に出たプラスチックが海辺や土壌などで劣化する過程で、メタンなどCO2より何十倍も温室効果のあるガスが発生することも分かり、ますます急速な脱プラ社会が求められています。

Q. ごみ貿易で途上国も苦しめている?
A. 日本は世界有数の廃プラスチック輸出国ですが、2018年に中国がごみの輸入を禁止して以降、マレーシアやインドネシアなどの東南アジア諸国へ移行したものの、十分な処理体制の整わない途上国では屋外で野焼きされ放置され、違法な埋め立てや焼却により現地の大気や環境の汚染が悪化し、現地住民が気管支炎や頭痛などに苦しんでいます。そんな現状に、マレーシア政府は「我が国は先進国のゴミ捨て場じゃない!」と訴えて送り返す動きも始めています。

illustration:Etsuko Taguchi composition:Ayako Minato

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