HONEY

2020.10.25

SURF

潮の流れのようになすがままに過ごすサーフトリップ | SURF AROUND THE WORLD #02

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SURF AROUND THE WORLD #02 MOROCCO

心がオープンな人、好奇心旺盛な人、準備を怠らない人に、旅は絶対に裏切らない。その旅先で感じたり体験したことすべてが、そのあとで必ず旅人を成長させてくれる。だから旅にでる。世界はたくさんの愉しみで溢れているのだから。

冒険心をもった女性サーファーたちの旅を綴る連載第2回。創造力に満ち溢れたマーゴとサラ、ダニカ、クララのモロッコへのサーフトリップをご紹介。



異郷を放浪する自由な創造者たち



オリーブ色と赤土の色が、白く光り輝くアトラス山脈に交わる。石壁沿いにはパームツリーが立っている。私たちは、ちょうど太陽がオレンジ色にすべてを照らすころ、マラケシュの街に到着した。

バンやタクシーやスクーター、ロバと荷車が街中を走り回る。ロバと荷車だけがメディナ(旧市街)のアーチ状の道を通り抜けていく。小さなガラスのゴーグルをしている金属細工の職人の手元から飛び散った火花、タイルできれいに装飾されたひさしのついた入り口にかけられたエスニックなラグ。スーク(市場)では新鮮な肉が吊るされていて、その横でヒジャブをまとった女性たちが野菜やスパイスの値引き交渉をしている。私たちは10フィートのボードバッグを曳きながら、曲がりくねった路地を通り抜けた。



いま私たち4人、女の子だけでモロッコにいる。マーゴとサラはフランスから着いた。いっぽう、クララと私はカリフォルニアから飛行機で大西洋を渡ってここまできた。私はひとりだけフランス語が話せないので、キーワードを少し教えてもらい、あとは惜しみない笑顔に頼ることにした。何度もモロッコを訪れていているマーゴとサラは、私たちに”e epictour de Maroc(最高のモロッコの案内)”をしてくれた。当初街の雑踏に面食らっていた私たちは、次第にみんなスムースにサイドステップを踏んで、スクーターを素早く避けられるようになっていた。

太陽とリヤド(古い邸宅をリノベーションした宿泊施設)の陰のあいだで数日間過ごし、タジンとミントティを2、3回繰り返したあと、私たちはマラケシュから海岸沿いへと向かった。目指すはアガディールとエッサウィラのあいだにあるアンスアーヌ。海岸に着いたときはすでに夜になっていた。それは暗いなかで一車線道路をドライブするという危険な賭けだった。



満点の星空が広がるなか、ひたすら山のくねくね道を進む。満月の下でグラッシーな海がキラキラと光っている。私たちは興奮と不安にかられながら走っていることに気づく。まるでトランス状態のように。点滅する電波塔がある小さな町に着いたとき、蝶番のはずれたドアをバタバタいわせながら、建物のあいだを通り抜ける風がうなりをあげていた。



波をたくさんキャッチし、新鮮な魚を食べ、毎日マーケットに通う。そうやって過ごす日々が待っていた。男性が同伴せずに自立した女性だけで行動するのが珍しいのか、好奇心を持たれじろじろと見られた。たとえ厄介な状況になっても、潮の流れのようになすがままに任せた。

海岸線が描くカーブは見る者の心を奪い、砂丘やそこを移動しているラクダとは、まったく違った時間が流れているようだった。





掲載:HONEY Vol.021
※2018年に取材した記事を再編集したものです

translation & edit : Wanderlust Collective photography : Sarah Sehgalla text : Danica Elbertse

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