HONEY

2020.10.29

SUSTAINABLE

【連載】地球の今、海の今を知る |Vol.03 「本来の蘇生力を取り戻せるように」

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2020年は人々の意識が大きく変わったこともあり、こうした社会体制を変えていこうと、欧州を中心に新しいグレートシフトも起こってきています。その一つが、コロナ前の暮らしにそのまま戻るのではなく、アフターコロナは前よりもっとベターな世界へ、脱炭素社会の実現や、環境・生態系を守りながら暮らせる「グリーンリカバリー(緑の回復)」を目指そうというムーブメントです。その思いは、人も生き物も環境もすべてが共存共栄できるように、そして何より、地球が本来持っている「たくましい回復力」を取り戻せるように。



手つかずの海が魅せる圧倒的な豊かさも、人の手で壊れゆく海も、バランスを崩した生態系も、人からの影響を離れて蘇った海も、私自身この20年近くさまざまな海の姿を見てきました。そのなかでは、自然界は人間があれこれ過剰に手を出していい領域ではないと感じるばかりで、人が救いの手を差し出すことすらも傲慢でおこがましいのかもしれない、と思うときがあります。プラスチックのように、自然には解決できない汚染は私たちにしか後始末ができませんが、人がむやみに踏み込まず、取り過ぎていた資源を守って、害あるものを環境に流さないことで力強く息を吹き返した海もあります。今はそんなふうにしてもっと多くを原始の海に戻そうと、2030年までに地球の海の3分の1以上を海洋保護区にしようという提案も上がってきています。そう思うと、本当に地球のためを考えたときには、少しでも早く、行き過ぎた破壊や奪い合いのない世界になって、地球が本来の蘇生力を取り戻せるよう導くのが一番かもしれない。サステイナブルなあれもこれもを複雑に付け足していくよりずっとシンプルに、私たちはただただ、毎日の恵みに心からのありがとうを伝えて、今あるものを大切にして、適切な距離感で、敬いながら自然を見守る……それだけでも地球はじゅうぶんに癒されていくんじゃないかなと、そんな気もしています。

text:Ayako Minato

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