HONEY

2020.11.05

SUSTAINABLE

【連載】地球の今、海の今を知る |Vol.04 「ウミガメの悲しい今が教えてくれること」

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海にいるとときどき、愛嬌たっぷりな癒し顔をひょっこりのぞかせてくるウミガメたち。彼らは私たちと同じように肺呼吸をして暮らし、海の中では息を止めて過ごしながら定期的に浮上して、海面で呼吸をしたらまた水中へ。私たちが水面近くでバッタリ遭遇できるのは、そんな息継ぎのタイミングだったりします。彼らの一生は、砂浜に卵が産み落とされ、孵化した赤ちゃんガメが懸命にビーチを渡って海へと還るところから始まります。それから浅瀬のサンゴ礁などで数十年ほど過ごしたあと、生まれ故郷に戻って新たな命を繋いでいきます。そうして世界には7種のウミガメがのんびりと暮らしていますが、そのうち6種はすでに絶滅の危機に瀕しています。彼らの個体数も居場所もどんどん少なくなっている理由は、温暖化によって生息地や産卵地が減り、餌の海藻なども減り、装飾品や食用のためにも乱獲され、さらにはほとんどの個体がプラスチック汚染の被害を受けていて、原因はどれも私たち人間社会の暮らしによるものです。

そんなウミガメについて、今年1月の生物学専門誌『Current Biology』で、気候変動の深刻さを感じさせる発表がありました。ウミガメは孵化する前、卵でいるときの温度でオスかメスかが決まり、28℃以下ではオスに、30℃以上ではメスとして誕生します。ところが、オーストラリアのグレート・バリア・リーフにある世界有数のウミガメ繁殖地で調査したところ、99%もがメスになっていることが分かりました。その比率は、116対1でメスの数が圧倒的に多いという、衝撃的な結果でした。

text:Ayako Minato

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