HONEY

2020.11.19

SUSTAINABLE

【連載】地球の今、海の今を知る |Vol.06 「プラスチックの海、これからのために」

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映画の中ではプラスチックごみのさまざまなリサイクル技術や活用方法も紹介されますが、本誌Vol.29でもお伝えした通り、残念ながらこれらは解決策とは言えず……。誌面でご協力いただいた「グリーンピース・ジャパン」プラスチック問題担当の大舘弘昌さんは、その理由をこう解説します。
「この映画は海洋プラスチック汚染のリアルな深刻性が伝わってくるとても素晴らしい作品で、多くの方に観ていただきたいと思います。ただ、生産量や消費量を削減しなければならない今、『解決策は適切な回収とリサイクル、または紙製品にすること』と誇大に印象づけられる部分があり、誤解を招いてしまう点に懸念を感じています。HONEY Vol.29でご紹介いただいた通り、回収やリサイクル、代替素材にすることは、実質的な解決策とはならないからです。
たとえば今作で、回収したプラスチックごみを熱分解してディーゼル燃料にする技術が紹介されますが、この取り組みの規模は小さく、これらの技術が誇大にPRされることで、使い捨てプラスチック包装の大幅削減の必要性から人々の目を逸らせてしまうことになります。


プラスチックごみの山に佇むのは、監督でジャーナリストのクレイグ・リーソン

また、プラごみのリサイクルで貧困地域をサポートする『プラスチックバンク』という会社も紹介されますが、社会的課題への取り組みにはなり得ても、プラスチック問題の解決には繋がりません。こうした廃プラ活用術をビジネスにする事業ばかりが取り上げられてしまうと、根本的な解決である脱・使い捨てへの取り組みが進まない原因になり得てしまいます。
今夏に出たPEW Charitable Trustという団体の報告書では、このまま何もしないと、海洋ゴミの流出が2040年に今の3倍になるとされています。そうならないためには、大幅な削減への緊急性が伝わるコミュニケーションが大切で、私たちも政府や企業、市民への働きかけを引き続き行っていきたいと思っています」
一人ひとりも、企業としても、リサイクルをすればいい、廃プラスチックの再利用で儲けようという姿勢よりも、これ以上は使い捨てプラスチックを作らない使わないライフスタイルへ。世界中の海で、プラスチックの被害に苦しんでいる生き物たちの痛みを思うと、1日も早くそんな未来が来ることを願うばかりです。

text:Ayako Minato

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