HONEY

2020.12.03

SUSTAINABLE

【連載】地球の今、海の今を知る |Vol.08 「過剰な窒素・リンが招く、デッドゾーン(2)」

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魚介類や多くの生き物たちが住めくなるこの現象は、ただでさえ大きなダメージを負っている生態系を壊すだけではありません。低酸素な環境を好む「嫌気性細菌」という微生物は、活動するなかで温室効果がCO2の300倍という亜酸化窒素(N2O)を放出し、気候変動を加速させます。ただし、それは海だけに限らず、農地で窒素肥料が使われると土壌からもこの亜酸化窒素が放出され、さらには大気汚染につながる窒素酸化物を発生したりと、窒素肥料は海に流れ着くまでにもさまざまな環境問題を引き起こしています。最近は農薬や化学肥料を使わない、オーガニックな食材や繊維へのニーズも高まっていますが、そうした有機栽培や自然農法の方が様々な面から生物多様性を守り、環境汚染や気候変動を抑える効果があることも科学的データとして発表されています。

日本は食料自給率が4割弱と低く、半分以上を海外からの輸入に頼っていますが、国内産だけでなく、たとえば遠い外国で化学肥料を使って作られたものを購入すれば、現地の土壌汚染や海のデッドゾーンを広げることにも加担してしまう……そう思うと、遠い国の環境問題も、自分の日常と確かにつながっていることを実感します。とはいえ、デッドゾーンの原因は農業排水だけでもなく、単純に窒素やリンの流入を減らせば解決するわけでもないようです。次回は、日本で広がるデッドゾーンと私たちの生活排水について、一緒に考えてみたいと思います。


text:Ayako Minato

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