HONEY

2020.12.10

SUSTAINABLE

【連載】地球の今、海の今を知る |Vol.09 「街の暮らしから考える、日本のデッドゾーン(3)」

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以前、海藻が枯れ果てた磯焼けの海に入ったとき、専門家の方々が教えてくれたのは、磯焼けの原因は海水温の上昇だけでなく、山の森林から海へ流れてくる養分が極端に減ったことも大きな要因だと。これは磯焼けに限らず、デッドゾーンや他の問題にも関わる自然の摂理ですが、窒素・リンや鉄分など、海藻や魚介などに必要な栄養分は、海だけでなく、山からも川を伝って海へと供給されるからこそ生態系はバランスよく豊かに育まれます。それが現代は、ダムや護岸工事などによって川の流れが人工的に堰き止められていることも原因のひとつ。さらには、海底に穴を掘って、埋め立てやコンクリート骨材などに使う土砂を採取することも増えてしまったため、掘り返した穴にできた窪地も貧酸素水塊になってしまっているそうです。

こうして掘り下げると、デッドゾーンの原因もさまざまな関係性が見えてきますが、一人一人ができることはオーガニックなものを選ぶことと合わせて、暮らしの排水がそのまま海につながっていることも忘れずに。たとえば台所の排水溝に食材や調味料、生ゴミや油などをそのまま流さないようにしたり、養分の多いお米のとぎ汁や米ぬかなどは花壇や庭の植木、畑に撒いたり。調理器具や食器を洗うときも、内側についた汚れを流さないように拭き取ってから洗ったり。キッチンやバスルームで使う洗剤も、有害化学物質を避けて、石鹸成分や無リン洗剤などをセレクトしたり、ちいさな思いやりの積み重ねが、未来の海を守っていけるのだと思います。次回はデッドゾーンについての4回目、最後は気候変動との関係性についてご紹介したいと思います。

text:Ayako Minato

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