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2021.01.24

SUSTAINABLE

【ハワイ人気コラム】Ocean Life of HAWAII |「Small is Beautiful」 words by Kai Uehara

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Ocean Life of HAWAII #026


3年が経った頃、自分を取り戻そうとヨガを始めた。そしてサーフィンにも出合った。深い呼吸と大きな海は、内側と外側から、人間本来の自然とつながる喜びを、呼び覚ましてくれた。大いなる自然の小さな一部である自分を感じたのは、これが初めてだった。その感覚は、とても心地よくて幸せだった。その後、ワークショップで訪れたハワイ島のプナという小さな町に恋をして、移り住んだ。大好きだった仕事を手放したのは、本当の自分に会いたかったから。太平洋にぽつんと浮かぶ、四国の半分ほどの小さな島の田舎町に、観光客はいない。毎朝日の出前に海に行き、海から上がる朝日を浴びながら、波に乗る。波待ちする海から見えるのは、椰子の木が生い茂るジャングル。人工物はひとつもない。リーフブレイクでパワーのある波がヒットする小さなサーフスポットには、常に5人から10人くらいのサーファーしかいない。みんな顔見知りだ。いい波が来たら一緒に乗って楽しむ、アロハな仲間たちだ。ポイント近くにはいつもウミガメいて、ひょこっと顔を出して挨拶してくれる。時々やってくる野生のイルカたちと泳ぐのは、私だけ。

皆変わらずサーフィンを続けている。海から上がると、トラックの荷台で待つ愛犬マンゴーの傍に、バナナやアボガド、ココナッツなどが無造作に置かれている。庭で採れる食べきれないフルーツのお裾分けだ。海あがりのココナッツウオーターは最高の栄養ドリンク。年2回のシーズンには、海からの帰り道、通称マンゴーロードの大木から落ちてくる、野生のマンゴーが食べ放題。沖に出ればマグロやカツオ、マヒマヒが釣れる。オールドハワイアンは、磯場から網を投げて小さい魚を獲って、ビーチでBBQを振舞ってくれる。この小さな町に住むハワイアンたちは皆、この人間らしい小さな幸せを大切な家族と共に楽しんでいる。けっして経済的には豊かでない彼らの暮らしだけれども、なんて豊かな人たちだろうと思った。一緒にいるだけで、こちらまでハッピーになった。大きなものに憧れていた子供の頃から、実はみんなが知り合いの小さな島に住むのが夢だった。至福の場所に出合った。

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