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2020.12.17

SUSTAINABLE

【連載】地球の今、海の今を知る |Vol.10 「気候変動との悪循環も進む、デッドゾーン(4)」

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前回の(3)で、私たちの暮らしから出る排水が、海に流れ出る前にきちんと処理されているわけではないことをお伝えしました。とくに「合流式下水道」では、大雨が降ると処理場に届く前に汚水が垂れ流されて、デッドゾーンの一因に。それも最近は気候変動の影響で雨の降り方が変わり、汚水がそのまま放流されることが増えているそうです。たしかに近年の雨季や夏場に降る雨は、まるで南国のスコールかのように、突然のゲリラ豪雨が頻繁に起こったり、長いあいだ強い雨が降り続いたりして、降水量や頻度が上がっていることを感じずにはいられません。

気候変動は多くの環境問題と密接に関係していますが、デッドゾーンとの悪循環もさまざまに連鎖しています。まず、デッドゾーンでは低酸素な環境を好む「嫌気性細菌」が増殖し、温室効果がCO2の300倍という「亜酸化窒素(N2O)」を多く排出するため、気候変動を加速させていることはすでにお伝えしました。この嫌気性細菌はそれ以外にも、生物の死骸に含まれる硫黄分などを還元するときに「硫化水素」も多く発生します。硫化水素は猛毒で、周辺の生き物たちをさらに死滅させるだけでなく、オゾン層の破壊にも繋がる危険なガス。こうした貧酸素水塊はおもに海底近くで広がりますが、ときに強風や潮流に押し流されて海面に湧昇してくることがあります。そのときにこの硫化水素が表層の酸素と結びついて硫黄ができ、海が乳青色に見える現象が「青潮」です。すでに酸欠になった海域では、酸素と結合できずに、硫化水素がそのまま海面から大気中に放出されているところもあります。

text:Ayako Minato

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