HONEY

2021.01.06

CULTURE

華麗なDNAを継ぐサーフアーティスト Lee-Ann Curren

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運命のボードに出会い、サーフィンもキャリアアップ

――一方、サーファーとしては2015年にフリーへ転身。フリーサーファーになってから、サーフィンへの考え方は変わりましたか? 
「私のスタイルはコンペティションのようなサーフィンだった。それはそれで楽しめた。なぜなら本当にいい波でサーフィンができたから。でも気づいたの。それまで乗っていたサーフボードは、いい波やフォトジェニックな波 、キャラクターのある波には向いていない。そこから理想のボードを探す日々が始まった。簡単なことではなく、ボードが変わればサーフィンも違うものになり、それまで身につけてきたものをリセットする必要があった。技術だけでなく、サーフィンに対するマインドもオープンにしていくのに、かなりの時間がかかった。2015年、チャンネル・アイランドのフィッシュボードに出会えたことで、ひとつの答えを得たの。ひと夏をそのボードだけで過ごし、南アフリカのJベイにも持って行った。それは一種の啓示のような出来事だった。世界には本当に上手なサーフガールがたくさんいるけれど、私は運命のボードに出会えたことで開眼し、 彼女たちと差別化することができたと思う。キャリアは個性を際立たせ、サーフィンも上達した。それからトリップやフィルム撮影の依頼が多くなったの」



音楽は魔法のようなもの。感情をメロディに解き放つ

――サーファーとしてもミュージシャンとしても、キャリアを順調に重ねていっていますね。 サーフィンと音楽は互いに影響を与えあっていますか?
「海はいつも何かを教えてくれて、自分が何者かを教えてくれる。私の音楽にサーフィンが何かしらの形で影響しているのは確かなこと」

――音楽で何を表現していますか?
「音楽は言葉では表しきれない、とても繊細な感情に触れることができる。例えるなら一種の魔法のようなもの。感情を解き放つメロディやコードのアイデアが浮かぶと、刺激を覚え集中できる。その“ゾーン”に達するのが好き。私はよく人間関係について書くことがある。ときに人の行動は理解しがたいけど、その裏側には詩的なものがいつも隠されていると思っている」

華麗なキャリアに、有名人 、著名人との交遊関係 、サーフィンと音楽以外にもデザイナーとして、インテリアメーカーとコラボしている。行動範囲は広く、どの話題をとってもレベルの違いを感じさせられる。そう、多才なのだ。しかし本人はいたって謙虚で、取材中も「私はシャイだから、自分のことを話すのが苦手」と言っていた。しかしこちらが求めることに精一杯応えようとしてくれる。パフォーマンスも高ければ人間力も高い。そこはやはり父親譲りなのだろうか? 表現者としてキャリアを積む意味でも、父親のいるカリフォルニアに住むことは考えないのか聞いてみたが、「ヨーロッパが好きだから」と即座に答えが返ってきた。自分の今いる場所を肯定できる人は、自分が幸運なことを知っている人。

リーアン・カレンは言葉にしづらい感情や思いを、波と音楽をベースに表現する。これからもっともっと多くの人に認められていくだろう。いままさに、アーティストとして世界に羽ばたいていく途中だ。  





Lee-Ann Curren リーアン・カレン
1989年6月23日、フランス・ビアリッツ生まれ。元WCTサーファーで現在はフリーサーファー。ミュージシャンとしてはヨーロッパを中心に精力的に活動中。@lacurren



掲載:HONEY Vol.26
※内容は掲載当時のものです

photography : Mélanie Bordas Aubies text : Michiko Nagashima

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