HONEY

2021.01.19

FASHION

古着物をアップサイクルするKINUの美しいフィロソフィー

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―――KINUのコンセプトを教えてください。
「着物は今の服よりも丈夫に作られているから、長く大切に着ることができます。可愛くて、サステイナブルなファッションは実現可能だということを伝えたいんです。着物から溢れ出る質の良さを生かして、ラグジュアリーでありながら、毎日着られるラウンジウエアを目指しています。“息のできる”服というイメージ。サステイナブルに大量生産は比例しないと思っているので、少しずつ。売り上げよりもクリエイティブを優先していて、すべて一点ものになります」


縫い物のキャリアは14年間にもなるチエさん。インタビュー中にも、シルクの切れ端でささっと巾着を作ってくれた

―――2人について教えてください。まずは縫製のチエさんから。
「KINUのクリエイターで、型紙起こしや縫子を担当しています。アメリカの大学でジャーナリズムを学んだ後、特許事務所に就職しました。アメリカでは仕事が5時で終わるから時間があって、趣味で縫い物を始めたんです。YouTubeを見たりしながら自分でコツコツやっていました。気づけば趣味を通り越して、お客さんにオーダーメイドの服を提供するようにまでなっちゃったんです(笑)。着物のアップサイクルはもともと『Vivat Vertas』という別のブランドでやっていて、ウェディングドレスからフォーマルウエア、デイリーウエアまでなんでも製作してます。2020年にKINUのプロジェクトをスタートさせました。今はオフィスワークと育児とバランスを取りながら進めています」


母親が華道家だったというリコさん。着物と花に囲まれて育った経験もこのプロジェクトに通じているはず

―――ディレクションをされているリコさんは?
「私はKINUのクリエイティブディレクションをしています。Webサイトを作ったり、PRやコンセプトを考えたり。生まれは北海道で、ニュージーランド育ち。14歳でアメリカの大学に飛び級しました。ニュージーランドには自然がいっぱいで、物に溢れていないためか想像力が豊かになり国民的にもすごくクリエイティブ。サステイナビリティや環境への教育も徹底されているんです。最初はファッションデザイナーに弟子入りして、サステイナブルな洋服のデザインを勉強しました。化学が好きだったから化粧品会社で研究員として働いた経験も。その後アートとグラフィックデザインをスタートして、今はアーティストとしても活動しています。化学者だったので薬品と薬品が合わさった時にどういう変化が起こるかある程度予想できるから、その知識と憶測を自分のアートやKINUの草木染めに活かしています」


石やコケ、墨など自然の素材を使って描かれたリコさんのアート作品からは、ディープな地球のエネルギーが感じられる

photography:Toshiyuki Togashi text:Alice Kazama

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