HONEY

2021.01.21

SUSTAINABLE

【連載】地球の今、海の今を知る |Vol.15 「水温上昇と、サイズアップしていく波」

  • SHARE


こうなると波についても変化がないわけもなく、波の高さ、強さともに、気候変動の影響を受けながら年々パワーアップしているそうです。お気に入りのビーチでも、すでに波打ち際が昔よりも陸地に迫っているところ、波のブレイクポイントが変わったことなどを感じているかもしれませんが、地球温暖化が「波の力」にも影響を及ぼしていると科学的に判明したのは、つい2019年のこと。学術誌『Nature Communications』の研究発表(「A recent increase in global wave power as a consequence of oceanic warming」)で初めて、波の持つエネルギーが地球規模でパワーアップしていることが明らかになりました。おもな原因は、海水温の上昇によって海面を通る風が強まっていること。研究結果では過去70年間で、波の力が世界的に毎年0.4%ずつ増えてきているそうです。



「波がサイズアップ」と聞くとこころなしか胸が弾んだりもするけれど、波がパワーアップしていくと砂浜の侵食も進んで、ビーチや海底の地形が変わればおのずと、波の良し悪しも、サーフポイントも、残念に変わっていってしまうかもしれません。そもそも、過剰な人間活動のせいで増えた熱を、90%以上も吸収してまで地球のバランスを保とうとする海、それでもどんどん悪化していく気候変動……それを思うと、私は海に入るたびに「ごめんね」と「ありがとう」の気持ちが、胸の奥のほうから湧き上がってきて、ますますじっと、海との対話に心を傾けてみたりしています。

text:Ayako Minato

PICK UP

RELATED

RANKING