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2021.02.11

SUSTAINABLE

【連載】地球の今、海の今を知る |Vol.17 海はどこでも、生き物たちの楽園

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人間の目線から見れば、東京湾は視界の悪さが際立って、人にとっては不快な臭いが鼻をつくような、汚い海の代表と思われるかもしれません。東京オリンピック・パラリンピックでは、東京湾のお台場の海が、トライアスロンなどさまざまな競技の舞台となる予定ですが、開催に向けて改めて水質の調査をしたところ、汚染度が基準値を大幅に上回り、異臭問題などがニュースでも取り上げられました。Vol.09のデッドゾーン(3)でもお伝えしたように、東京湾の汚染は家庭や工場などから出る排水がおもな原因で、「合流式下水道」の多い都市部では、大雨が降った日やその翌日は汚れた排水がそのまま放流されるので、湾内の汚染度も数値が跳ね上がります。下水道管を「分流式」に変えれば汚水の流入は防げますが、その工事には時間も費用も膨大にかかるため、そう簡単にはできないのだそうです。

お台場海浜公園はもともと、その汚染度の高さから基本的には遊泳禁止とされ、たとえ海に入っても「水面に顔をつけることは禁止」とされています。そんな海で競技に挑む選手たちを思うととても複雑な気持ちですが、オリンピック・パラリンピックの開催に向けて現在、お台場海浜公園で「覆砂」という対策が進められています。これは海底に長年蓄積したヘドロを覆い隠すために、伊豆諸島の神津島から運ばれた砂を海底に敷き詰めるというものだそう。ですが、これも言ってみれば「臭いものに蓋」をしただけで、水質汚染や異臭を引き起こすヘドロが消えてなくなるわけではありません。被せた砂もずっとそのままあるわけでもなく、嵐や海流によって流されることもあれば、蓋をした上にも、陸上社会から流れてくる汚水やヘドロが降り注ぐことに変わりはありません。


text:Ayako Minato

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