HONEY

2021.05.04

SUSTAINABLE

世界の海から、魚たちが消える日|私たちができることはあるか?

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NO EARTH, NO US


パンデミックにも関わる生物多様性と気候変動



海の恵みを回復させるには、持続可能なシーフードを選ぶことと合わせて、気候変動対策も欠かせない。気温上昇が産業革命前から+1.5℃、+2℃へと近づいてく今、「WWFジャパン」生物多様性担当の清野比咲子さんが未来のために大切な心構えをこう教えてくれた。

「すでに約1℃上昇した今でも危機的状況ですが、+1.5℃と+2℃では生物種の減少率が2~3倍にも高まり、海の漁獲量も1.5℃で150万トン損失、2℃では300万トン損失と、倍になる予測です。+2℃では地球上からサンゴ礁も99%消滅し、そこに暮らす生き物たちもいなくなる、そんな想像したくない未来を迎えてしまうと言われます。これまで衰退の一途だった生物多様性も、上向きの回復軌道に、Nature Positiveを実現することが急務ですが、それには2030年までが勝負です。具体的には海の恵みはもちろん、生産と消費を見直して変革したり、食品ロスをなくしたり、一人ひとりが地球に負荷をかけすぎない暮らしへシフトすることが大切です。また、無作為な開発で自然破壊を繰り返し、人間、家畜、野生動物の不適切な接触が増えたことで、新型コロナウィルスのような動物由来感染症の発生頻度がこの10年間で3倍に増えています。いま世界では、次のパンデミックを防ぐためにも生物多様性の保全が要とされ、“人・動物・生態系”すべての健康をひとつとして考える『ワンヘルス』もキーワード。このコロナ禍も、自然界は人間がコントロールできない世界であり、人と野生動物が程よい距離感を保つ大切さ、そして人と動物と地球の健康はみんな繋がっていることに改めて気づかされる機会になったようにも感じています」

WWF
人類が自然と調和して生きられる未来を目指し、海や森、生物多様性を守るために80年近く活動する、世界最大規模の環境保全団体。地球環境の健康診断書『生きている地球レポート』も2年ごとに発表。2030年までにNature Positiveな社会へ、人・動物・生態系の健康をひとつと考える「ワンヘルス」、身近な魚介の現状がひと目で分かる「おさかなハンドブック」などぜひHPを参考に。wwf.or.jp

photography : Tamaki Ozaki illustration : Etsuko Taguchi composition : Ayako Minato

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