HONEY

2021.04.19

SUSTAINABLE

美しすぎる「サンゴ」のアート|コートニー・マティソンの作品の視覚的インパクトは必見

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サンゴの森よ、消えないで


海洋生態学を学び、アーティストとしても活動すると決めた理由は?
海は秘密に満ちています。幼い頃、ママと一緒にサンフランシスコ・ベイのピアに繋がれているカニの罠を覗き見したときのような……初めての冒険みたいに鮮やかな記憶が海にはあるっていつも感じてきました。海とアートはどちらもずっと私を魅了し続けてきたもの。だから高校生になって海洋生態学とセラミックを学んだのは自然な流れでした。いちばん最初の海洋生態学のクラスが、私の海洋科学への情熱に火を点けたんです。野外調査と解析の基礎を覚えたのもこのクラス。“海の生き物を象ったアートを作りたい”という最初の衝動を感じたときでもありました。3Dで改めて作り直すことで、その生体の詳細を理解するのに役立つと気づいたんです。



環境問題に対するメッセージを作品に込めるようになったきっかけは?
解剖学的なところからスタートしたアーティストとしてのキャリアは、学生時代のオーストラリア留学をきっかけにもっと大きなスケールへと発展します。グレードバリアリーフでスキューバダイビングをして、当時世界で一番美しくて健康と言われていたサンゴの美しさに心が奪われました。ちょうどサンゴをおびやかす気候変動や海洋酸性化、乱獲や汚染といった問題を学んでいた最中だったから、なおさら感動したんです。オーストラリアで過ごした2007年は、サンゴの壊滅的な白化現象がまだニュースの見出しを飾る前。クラスで気候変動の影響に関する予測 ―サンゴは今世紀が終わる前に全機能を停止してしまうだろう、といったような説― を学ぶたびに心が締め付けられる思いでした。でもこの傷ついた心によって、大切なことに気づくことができました。それまではサンゴへの個人的な興味から作品を創っていたけど、別世界的に美しいグレートバリアリーフが人間のせいで凄まじい速さで衰退しているという事実を、作品を通して訴えられるんじゃないかと。海の中の様子を“水の外側”から視覚的に伝えることで、人にインパクトを与えられるかもしれない。人生を捧げてみようと、モチベーションが沸きました。

text : Alice Kazama

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