HONEY

2021.04.19

SUSTAINABLE

美しすぎる「サンゴ」のアート|コートニー・マティソンの作品の視覚的インパクトは必見

  • SHARE

サンゴの森よ、消えないで


HPにも書かれていた、グレートバリアリーフでのショッキングな出来事をシェアしてもらえますか?
2016年、留学の9年後に、私が大学時代に恋した美しいグレートバリアリーフを夫にも見せたいと思ってオーストラリアに戻り、ダイビングトリップに参加しました。その当時、グレートバリアリーフで歴史上かつてないくらいサンゴの白化現象が広がっているという事実はなんとなく知っていて。北方の90%以上が白化し始めているという話でした。初めてダイブするとき、やけに水が温かいことに違和感を感じました。その後海中でまず私が気づいたのは、まったく、一匹も魚がいなかったこと。まるでゴーストタウンのよう。大きなサンゴの出っ張りを曲がると、目の前にシカツノサンゴの広大な森が広がっていました。でもそのサンゴは見渡す限り、ひとつ残らず幽霊みたいに真っ白……。正常なシカツノサンゴはゴールデンイエローや、茶色、緑や青。サンゴの死骸を見たことはあっても小さいスケールだったから、こんなにも広範囲のダメージを目の当たりにしてショックと悲しみに包まれました。サンゴには共生する藻が存在しています。彼らはサンゴのおかげで光合成ができて、その産物がサンゴにとっては大事な食糧源。お互いに頼って生きています。でも海水温が上がりすぎるとサンゴは発熱と似たような免疫反応をして、大切な藻を身体から追い出してしまうんです。すぐにサンゴが回復できるまでに海水を通常の温度に戻さないと病気になったり餓死してしまいます。この“死のサンゴ礁”を発見したとき、スキューバマスクの下で静かに泣いたのを思い出します。私は怒りを覚え、アーティストとして、気候変動の活動家として、自分のスキルを絶対に活かすと決意しました。


まだ地球に残る“希望の海”をビジュアライズした造形作品シリーズ。2009年に海洋学者のシルビア・アールが立ち上げた、生態学的に多様で健康な海域を“Hope Spot”として保護対象に指定するプロジェクトからインスパイアされた。日本では唯一、沖縄・辺野古の大浦湾が認定されている “Hope Spots” by Courtney Mattison. Images by the artist

text : Alice Kazama

PICK UP

RELATED

RANKING