温暖化だけでなく、近年は増えすぎたCO2が海水のpHを低下させる海洋酸性化、日焼け止めに含まれる有害成分、マイクロプラスチックなども、サンゴの成長を阻害することが分かってきました。
Vol.19でお伝えしたような乱開発も大きな要因で、とくに沖縄は「赤土」と呼ばれる粘土質の酸性土壌で覆われ、開発地域や農地などから赤土が海へ流れ込むと、美ら海はみるみる鮮やかさを失ってしまいます。海の中は濁り、日光も届きづらくなるため褐虫藻は光合成ができず、サンゴも呼吸ができずに死滅していくことになります。さらに追い討ちをかけるように、「オニヒトデ」というサンゴを食べる天敵の大発生も多発しています。原因は自然増減説、オニヒトデを食べる捕食者の減少説、富栄養化、と諸説ありますが、富栄養化が最も有力とされ、農地の肥料や畜産廃物、生活排水などに含まれる窒素・リンが、過剰に海に注がれることで植物プランクトンが増殖し、それを餌に育つオニヒトデが頻繁に異常発生。富栄養化は
Vol.08のような海のデッドゾーンを広げるだけでなく、こうしてサンゴ礁の脅威にも繋がっています。
鋭い刺に覆われて、直径20~50cmにもなるオニヒトデ。サンゴの上に乗って食べている姿をよく見かける