HONEY

2021.03.25

SUSTAINABLE

【連載】地球の今、海の今を知る|Vol.20 地球上からサンゴ礁が消えゆく前に

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オニヒトデは、地元の漁業者やプロダイバーたちが1匹ずつ串刺しにして回収する駆除活動も行われますが、人が刺されると危険な猛毒を持っていて作業もひと苦労。他にもサンゴを食べる巻貝の「シロレイシガイダマシ」、近年は新たに「テルピオス」という海綿動物による食害まで広がっています。シート状のテルピオスは、骨格に食い込むように張り付いてサンゴを殺し、広範囲のサンゴ礁をあっという間に真っ黒にすることから「黒い悪魔」とまで呼ばれています。水温が高くなると繁殖する傾向があるそうですが、詳しい生態はまだ不明で、テルピオスの場合は人の手で剥がすこともできず、黒く死にゆくサンゴを見送るしかないのだそうです。

私もダイビングを通して20年以上、あちこちで消えゆくサンゴ礁に胸を締め付けられながら、オニヒトデの駆除に同行したこともあります。が、個人的には「オニヒトデは何も悪くない」という思いのほうが勝り、1匹も駆除できず見学に終わりました。他にもサンゴの植え付けや水中清掃など現場でできるフィールド活動も参加していますが、対症療法よりも原因をなくし、サンゴ礁を失わせないことが最優先じゃないかなと。そしてそのヒントは一人ひとりの暮らしの中にあって、温暖化対策はもちろん、排水やゴミ、日焼け止めに配慮する心が、世界中に広がっていくことのほうがずっとずっと、海を救える大きなパワーになる……そんな風にも実感しています。


減っていくサンゴ礁を前に、沖縄などでは人工的に増やしたサンゴの苗を植え付ける活動も行われている

text:Ayako Minato

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