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2021.03.29

LIFESTYLE

お手本にしたい世界のビーチハウス。オーストラリアのアップサイクルな隠れ家を訪ねて

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理想のBEACH HOUSEとはどんな家だろうか? 海まで徒歩圏内、自然が豊富なのに街にも近い、 広い庭があって、インテリアからは潮の香りがする。 テイストは定番のトロピカルからアジアン、ヴィンテージ、ナチュラル、さらにはそれらをミックスしたスタイルと、多種多様にある……。

好みは人それぞれで、正解はないのかもしれない。 海外に目を向けると、さらにそれを強く感じる。画一的なデザインを好む日本と違い、個性的なのだ。

今回はそんななかでもオーストラリア、バイロンベイにあるアップサイクルな隠れ家をご紹介。ビーチの側に佇みながらも、森の中の様な静けさを醸し出すファームハウスをチェックしてみよう。



家具やモノを最小限におさえ “空間” を重視した豊かな家



自然派志向の若い世代の人々にとって、古い住居をモダンに修復して住むというスタイルは、近年当たり前のことのようになってきた。それにしてもクインズランダーと呼ばれる古いファームハウスを丸ごと移動させてしまうなんて、ありえないようなことをいとも 簡単にこなしてしまうカップルがいた。

ローレンがフロリダからバイロンベイに移住したのは約5年前。環境保護活動家であり、フリーランスのライターとしても活躍している彼女。しかし本業は“プロのフリーサーファー”。一般的なコンテストをベースとするプロサーファーとは一線を画し、リアルに旅をし、写真やストーリーを残し、自身のありのままのライフスタイルを通じて「サーフィンとは」を表現していくオーガニックな職業。



また彼女のパートナーはフリーサーファーというポジションを確立させたパイオニア的存在のカリスマ、デイブ・ラスタヴィッチ。世界を忙しく飛び回る夢のようなカップルである。

「はじめは新しく家を建てるために、イチからプランを組んでいたんだけど、途中でなんでこんなことをしてるんだろう?って我に返ったの。コストもかかるし、何よりも無駄が多く出ることに改めて気づいたの」  



こうしてローレンは、デイブと共にアップサイクルできる古いクインズランダーを探し始めた。“クインズランダー”とは、クイーンズランド州に多く見られる高床式住居のこと。洪水やシロアリからの被害を避けるため にデザインされた木造の建物。部屋が小さく 仕切られ風通しが悪いといわれるデザインだが、2人は試行錯誤を繰り返し3年という月日を費やして完成させた。

「デイブの友人が新しい家を建てるために、築90年を超えるクインズランダーを取り壊そうとしていたの。それをタダ同然で譲ってもらったのよ」

完成した自宅は自然光にあふれた潮風の通るオープンなビーチシャック。自分たちのライフスタイルとニーズに合った希望通りのスタイルとなった。2人がこの家に費やした労力 は計り知れず、これからも常にリペアを繰り返していかなければならないが、それも家に 愛を注ぎ込む楽しみのひとつだろう。



一年の半分以上を海外や旅先で過ごす2人にとって、この家は安らぎそのもの。旅から戻ったローレンが真っ先にすることといえば ガーデンでの収穫作業。庭には野菜、ハーブ、バラエティ豊かな果物がたくさん栽培されて いる。さらには蜂の巣から蜜をダイレクトに収穫する養蜂家のようなことも。魔法のようなベジガーデンがいつでも彼女の帰りを待っているのだ。自宅にいるときの一日のルーティーンを聞いてみると、朝起きてストレッチから始まり、サーフィン、ブルーベリースムージー作り、読書、執筆、摘みたてのガーデンサラダでランチ、お昼寝、ガーデニング、 サーフィン、スクラブル(ボードゲーム)というまるで休日のような平日。

自宅から離れている時間が多い多忙な生活だからこそ、シンプルな日々をありのままに過ごせる穏やかな家が、その大きなギャップを潤してくれているのだろう。



Profile
Lauren Hill(ローレン・ヒル)
フロリダ出身のフリーサーファー。コンペティター生 活を経て、デイブ・ラスタヴィッチとの出会いをきっ かけにバイロンベイに移住。環境家、フェミニストと しても活躍している。
www.theseakin.com



掲載:BEACH HOUSE(ビーチハウス)Vol.2

photography: Carly Brown text: Maki Mukaeda(3 little spirals)

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