サンゴ礁の天敵として、
Vol.20でオニヒトデやシロレイシガイダマシ、テルピオスをご紹介しましたが、実はサンゴを食べる生物は160種以上が知られていて、彼らがサンゴを食べるからといって、それ自体が問題なわけではありません。もともと健全なサンゴ礁ならば一定量のオニヒトデが暮らし、鋭い棘や猛毒を持つ彼らも、天敵の大きなホラガイに羽交い締めにされながら食べられたり、オニヒトデの赤ちゃんはエビやフグたちの餌になったりします。「黒い悪魔」なんて呼ばれるテルピオスも、シアノバクテリアという藍藻と共生し、光合成をして有機物をシェアしながら生きている大切な動物。ただ彼らにとっての食料が「サンゴ」というだけで、それは私たちが生きるために食べることと、なんら変わりはないわけです。