HONEY

2021.05.06

SUSTAINABLE

【連載】地球の今、海の今を知る|Vol.23 「自然を最優先」がスタンダードならば

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日本の海人たちのあいだで、何十年も前から語り継がれているひとつの合言葉があります。「森は海の恋人」──。30年以上前、三陸・気仙沼の海が赤く濁り始めたことをきっかけに、地元の畠山重篤さんがその原因を探ったところ、海から遠く離れた山の荒廃に辿り着きました。森という環境は、枯れ木や落ち葉が菌類に分解されてできる腐葉土によって育まれますが、その養分は川や地下水を伝って海にも運ばれ、海洋生態系も育みます。それが、日本の森は半分近くも人工林に変えられたものの、林業の衰退とともに放置され、雨が降るとすぐに土砂が流れ出てしまう状態に。工場や家庭の排水も汚れたまま川に流され、田畑も農薬や除草剤を多用するほど生き物のいない不気味な静けさが広がるばかり。あちこちでそんな自然破壊を目にした畠山さんは、1989年から地元の上流に植樹を始め、排水を改善してもらおうと川のそばに暮らす人々に語りかけ、森と川を生き返らせ、そうして海の豊かさを蘇らせました。畠山さんのそんな姿勢から、漁師が植樹をし、海を豊かにする活動が広がっていったのです。

text:Ayako Minato

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