HONEY

2021.01.18

FASHION

古着物をラウンジウエアにアップサイクル|ARTS & CRAFTS JAPAN

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Kimono

これまでなんとなく海外に目を向けがちで、他の国の素敵なカルチャーやマインドを積極的に取り入れようしていたところがあった。しかし様々な価値観が変化したいま、どこにも行けない中でふと自分の周りを見渡してみると、忘れかけていた日本の良いところが際立って見えてきた。そうだった。この国には昔から大切にされてきた丁寧な暮らしがあり、繊細な芸術があって、温かみのある手仕事と、粋な職人技もあった。そのどれも最高におしゃれな文化で、しかもほとんどがエコフレンドリーかつサステイナブルだったことに改めて気づかされた。温故知新、原点回帰。今求められていることは、これかもしれない。伝統を受け継ぎながら、現代における価値を見出して再解釈しリバイバルさせようと奮闘している人たちもいる。ニッポンの伝統の素晴らしさを、もう一度見つめ直したい。


A New Tradition
Kimono
{着物}
KINU/東京

古着物に天然の色をのせ、ラウンジウエアにアップサイクル
シンプルな1枚のシャツでも、そこに何層ものストーリーが重なっていることを知るとたちまち愛おしくなり、大切に長く使いたい気持ちが高まる。 KINUのプロダクトはまさにそれ。古着物を再生するアップサイクルブランドで、主に裏地に使われているシルクを身近な植物で染色したあと、日常的に着られるコンフォータブルなデザインに縫製し直している。もちろんすべての工程がハンドメイドの一点ものだ。古いシルクは変色していたりシミが付いていることもあるけど、それも天然素材の良さで染めれば問題ない。もともと高価で質が良く、長く使える素材を少しでも捨てるのはもったいないと、カットして余った布切れまであっという間にシュシュや巾着に作り変えていた。最後まで “ノーウェイスト ”がコンセプトだ。KINUを運営するのは2人の女性。縫製担当のチエさんはアメリカでジャーナリズムを学んだ後、独学で縫製の勉強をスタート。別の着物のアップサイクルレーベルも持っている。パートナーのリコさんはサステイナブルな考え方が根付いているニュージーランドで育ち、元化学者でアーティスト。 KINUでは草木染めとクリエイティブ担当をする。2人のアイデアと技術のコラボから生まれたブランドだ。「ラフに着られるように作ってるけど、着物の気品が勝手に出てくれる。伝統を大切にしながらサステイナビリティを伝える、ブランドというよりもプロジェクトなんです」。



「着物の色味は日本人の肌に合うようにできている」と言う。この感覚を大切にするため商品には日本の色の名前を付けている。例えばこのTシャツは「CHIGUSA」。緑とも青とも言える淡い色が儚く美しい

photography:Toshiyuki Togashi composition:Alice Kazama

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