アーユルヴェーダの「8つの食事法」|あなたの体質「ドーシャ」もチェック

日常から離れ、ゆったりとした時間を過ごすリトリートのように毎日の“食”を見つめ直すことで、ヘルシーな心と身体へ。自分と向き合い、必要なものを見極め、丁寧にとる食事はきっと美しい自然の中で深呼吸するような心地よさをくれるはず。6回に渡ってお送りする「Food Retreat」企画。1回目の今回はアーユルヴェーダを紹介します。


AYURVEDA
消化力をアップして不要なものをデトックス

5千年もの歴史を持つインド発祥の伝承医療、アーユルヴェーダ。健康を保つことと、病気の鎮静を主な目的としている。そのための食事法でもっとも重んじているのは「いかに未消化物を残さないか」ということ。消化しきれない物がたまると不調を呼び、大きな病気の原因になってしまうことも……。
アーユルヴェーダでは消化する火の力を「アグニ」と呼ぶ。アグニの強さは「ドーシャ」という生命エネルギーのバランスにより、生まれつき弱い人も強い人もいるが、年齢や食事の仕方によっても変化していく。日々の消化・代謝をちゃんと確認して、その時々の消化力に合った食事をしよう、というのがアーユルヴェーダの食事の一番大事な考え方。
具体的には、自分の体質や体調、季節や環境をふまえて、消化に良い野菜中心の食事を適量とり、良質な睡眠と適度な運動を心がけること。また、消化や食欲増進を促す多種多様なスパイスを日常的に使ったり、体の中からしっとりと艶やかになれる質のいいオイルをとるのも効果的と言われている。
ただ、あくまでアーユルヴェーダはツールのひとつ。知識をベースに自分で考える力をつけていこう。


8 Rules アーユルヴェーダの食事法

消化力に合ったものを食べる
たくさん食べても平気なときや、軽めの食事でも身体が重いときがあるのは、消化力に個人差があり季節によっても異なるから。その時々の消化力に合わせ食べ物を選ぼう。一年を通して、火入れした温かい食事がベター。

季節の食材を使う
冬の根菜は身体を温め、夏の果菜類は水分を摂取できるというように、旬のものは、その時季に人が必要としているものとリンクしていることが多い。いま土の上で育っている野菜は何だろう? と意識して食材を選んで。

「六味」をバランスよくとる
舌の味蕾には「甘酸塩辛苦渋」の6つの味を知覚する部分があり、その全てを刺激すると心が満足すると言われている。さまざまな食材を揃えシンプルに味付けすることで、自然と六味を摂取でき、無駄な間食も減らせる。

食べ合わせの間違いを避ける
日本でも「鰻と梅」などを避ける考えがあるが、アーユルヴェーダで代表的な食べ合わせの悪い組み合わせは「牛乳と塩」「牛乳と酸」。これは消化に重く、未消化物を生みやすいセットなので、できるだけ避けて。

適量を心がける
アーユルヴェーダの適量は「腹7.5分目」。胃に空白を残すことで消化しやすい状態をキープできる。自分にとっての適量は、アンジャリ(両手のひら)におさまる量といわれているので、イメージとして持っておこう。

3世代前から慣れた味を食べる
3世代前、つまり自分の祖父母が食べ慣れていた食材や味はDNAレベルで消化しやすいと言われている。だから日本人には和食が一番。一汁三菜をベースに、スパイスを取り入れると気持ちのいい身体づくりにつながる。

できたての料理を重んじる
鮮度が高く、作りたての食事はエネルギーに溢れ、身体と心を滋養してくれる。作り置きや保存食は便利だが、味も落ちると感じたことがあるはず。簡単なもので良いので、忙しくてもできたての料理をとるようにしよう。

集中してゆっくり食べる
会話しながら、何かを観ながらなどの「ながら食事」や早食いは、情緒不安定や集中力低下、腹部膨満感を引き起こしがち。1日の中で消化力が高まる昼食だけでも、集中して20分ほどかけて食事し、栄養を吸収して。


ドーシャチェックリスト

「ドーシャ」とは、命あるもの全てが持つ生命エネルギーのこと。VATA、PITTA、KAPHAの3種類があり、生まれつき持っているバランスにより、個人個人で体質が異なると言われている。



VATAヴァータ(風、空)
体格:やせ気味
髪の毛:細く乾燥しやすい、枝毛ができやすい
皮膚:乾燥しやすい、血管が浮いて見える
歯:歯並びが悪い
目:ドライアイ、疲れが目に出やすい
食欲:ムラがある
環境:変化を好む
気質:想像力豊かでアイデア豊富
集中力:瞬発力があるが、途切れやすい
決断力:すぐに決めるが、また迷う。決断を間違えることがある
休日の過ごし方:予定を詰め込みすぎて、全部終わらないことがある
金銭感覚:浪費しやすい、貯金ができない
睡眠:眠りにつきにくい、中途覚醒がある



PITTAピッタ(火)
体格:中肉中背
髪の毛:若白髪や若ハゲがある
皮膚:日やけしやすい、しみやそばかすができやすい
歯:黄身がかっている、歯茎から出血することがある
目:充血しやすい、鋭い視線、光に敏感
食欲:食欲旺盛で、空腹時にイライラすることがある
環境:適応力が高い
気質:知的で論理的
集中力:適度に持続できる
決断力:問題解決が得意で、的確な判断を瞬時にできる
休日の過ごし方:目的とプランを検討してから実行する
金銭感覚:高級志向品を好む、一攫千金を狙いたい
睡眠:ショートスリーパーの傾向で、短時間でも耐えられる



KAPHAカパ(水、土)
体格:脂肪や水分を溜め込みやすい
髪の毛:太く髪の量が多い
皮膚:色白でもちもちした肌
歯:白く歯並びが良い
目:目やにがたまりやすい、大きな目
食欲:小食でゆっくり食べる
環境:変化を好まない
気質:慎重で平和主義
集中力:持続力がある
決断力:時間がかかるが、しっかりと決断し迷わない
休日の過ごし方:プランを立てず家でゆっくりするのが好き
金銭感覚:浪費より貯蓄が好き、着実投資を好む
睡眠:眠れるが、起きられない

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