
持続可能な衣・食・住を念頭においたナチュラルなライフスタイルがSNSで注目を浴びている栗山遥さん。彼女の日常はヨガ、サーフィン、ビーチライフ、畑がキーワード。優しくて眩しい海沿いの暮らしをのぞかせてもらった。
海沿いに移住して“ピースがハマった”
海沿いに移住したのは今年の6月。コロナ禍で東京に行かないで仕事ができる時代になってきたので、すんなりこのライフスタイルを実現することができました。
特にコロナで、やりたいことをやりたいときにやることの必要性を感じたんです。言いたいことは言う、会いたい人には会いにいく。私は海沿いに住みたいって思っていたので、そう思うなら今行こうって。
海のほうに来てから、ピースがハマった感じがしています。よりやりたいことを自由にできている感覚です。すぐ海や山に行けるっていうのが最高。自分が“今、いい感じだな”って思う瞬間も多くなりました。

海はリセットされる場所
海は浮いてるだけ、入るだけでもリセットされます。もちろんいい波に乗れた時は最高で、その時が一番自然との繋がりが感じられる瞬間です。
まだサーフィンを始めたてのころ、サーフィンが上手な彼に「教えてほしい」ってお願いしたんです。そしたら「自分が乗ることを考えるんじゃなくて、波を見て、波に合わせる。今日と同じ波は二度とこないから、波を感じる目を持つといいよ」って言われて。その時は「そんな精神論じゃなくて、とにかく教えてよ!」って思いました(笑)。でも後からその意味がわかりました。サーフィンの面白さって、自然と調和するということなんだな、と。

苦い経験も、あとから意味を持つ
SNSで「どうやったらそんな生活が送れますか」って質問が来たりするんですけど、もちろん私もここに到達するまでに、やめたい、苦しいっていう瞬間が何度もあって、でもそんな時代もすべて今に繋がっていると思ってるんです。22、23歳くらいのとき仕事が嫌でしょうがなくて(笑)、当時はわからなかったけど、その時代があったから今フリーランスとして楽しくできているんだろうなって。
良い悪いをその瞬間に判断する必要はないと思っていて。今何か悪いことが起きても、良し悪しはその時点ではわからない。そのうち何か意味をもたらしてくれることもあるんです。
環境問題に対しても、何年か後かきっといいことに繋がると信じて取り組んでいます。自分を守るためにも、出来事に対して大きく一喜一憂しないように意識しています。

海で見た、環境問題のリアル
数年前にサーフィンを始めて海に入るようになってから、ライフスタイルががらっと変わりました。自然が近くなって、環境問題や変化を肌で感じるようになったんです。ゴミが落ちていたり、海に浮いてるのを見かけたり。これまで授業で習っていた環境汚染・環境問題が、現実だったんだ、本当に起きていることなんだなって。何か大変なことが起きているかもしれない、そんな漠然とした危機感を持ちました。海に来る機会がなかった時には現実味があまりなかったんですね。そこから取り憑かれたように本を読んだり、調べたりするように。そうするとさらに大きい問題が起きていることに気づきました。
祖父母が自然と行っていたサステイナブルな暮らし
そもそもオーガニックに興味を持ち始めたきっかけは、福島の祖父母のおかげです。もともと自然と共に生きている人たちで、自分たちで食べる野菜は自分で育て、そこからジャム、梅干し、漬物を作ったり、柿を干したり。育てたヘチマからヘチマ水をとって化粧水にしたり、その後はスポンジにしたり、何でも一から作っていました。そんな生活が当たり前に行われているのを見ていたので、自然と私の中にも根付いていたんだと思います。
そんな中、20歳の時にオーガニックコスメの存在を知りました。ずっと自分の中で育くまれていたルーツとぴったりハマったような感じがして。身体に良くて、地球に良い。まさに祖父母に教えられてきたことに今自分が追いついてきた、という感覚がありました。


環境に優しいものづくりと、エシカルな消費
実は10月30日から、オーガニックコットンで作ったみつろうラップやバッグを販売することになりました。環境問題を考え始めて、私にできることってなんだろうって考えた時に、意識的な選択や行動をするということと、インスタグラムで発信するというアクションがあったのですが、当時からいつか長く大事に使えるモノを作れたらいいなと思ってました。農場と縫製工場の特定ができる、トレーサビリティに優れたオーガニックコットンを使用したり、原料選びはもちろん包装や物流、使い終わった後まで、すべてのストーリーが美しいものであってほしい。みつろうラップは使い終わったら土に還せるのもポイントです。
ホームページにはオーガニックであるという証明書を載せていて、安心安全だということを示すと同時に、何でできていて、誰がどのように作っていて、どんな想いなのか、そのストーリーも含めて伝えたいと思っています。矛盾してるんですけど、この想いに本当に共感できなければ購入しないでください、という趣旨のメッセージも載せています。それくらい、何か新しいものを買う時には意識的に消費してほしいと思っているんです。本来あるべき自然のサイクルを守りたい。そしてわたしたちの一つひとつの行動や選択が種となり、大地に根を張るように広がっていきますように、という願いを込めて「seed and soil」と名付けました。ずっと前からの夢が、やっと叶いました。ぜひたくさんの方に手にとっていただきたいです。



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