HONEYが気になるあの人にQ&A_#06/ハワイアングラフィティ「Jack Soren」



グラフィティやストリートアートのバックグラウンドを持ちながらも、万人が楽しめるパステルな色使いを得意とするハワイ出身のアーティストJack Sorenさん。彼のアートを観ているとどこからか音楽が聴こえてくるような気がする。ハワイらしくおおらかで陽気なイメージが、コロナ禍の窮屈な心を解放してくれる。

-あなたのルーツや家庭について教えてください。
オアフ島ノースショア出身のネイティブハワイアン。マオリ、ドイツ、ノルウェー、イギリスのミックスで、アーティストとクラフトマンの家庭で育ちました。ずっとアートとクリエイティブなものに囲まれていて、自然とグラフィティとストリートアートに自分の道を見出しました。子供の頃はサーフィンとグラフィティばっかりやって過ごしていました。子供が育つのにハワイ以上にいい場所はないと思います。毎日外で遊んで、ハワイを楽しみ尽くしてきました。

-どんなアートを制作しているか教えてもらえますか。
プロジェクトによって色々あるんですが、キャンバスに描くアクリルから外壁のスプレーまで本当に様々です。ウッドやレジンを使うのも好き。僕のアートは色の組み合わせにフォーカスしていて、主題はその時々で興味のあるスタイルやイメージ、何を伝えたいかで変わってきます。

-どうやってキャリアをスタートさせたんですか?
僕はずっと壁画やグラフィティを描いてきました。それを仕事としていて、いろんなアートプロジェクトにも参加しています。大学を卒業したとき、就職するんじゃなくフルタイムのアーティストになるという夢を追いかけることにしました。ここで自分にチャンスを与えなければ、生涯後悔すると思ったんです。今のところうまくいっているので、その決断は本当に正解だったなと思っています。今後もやりたいことだけを追求していくつもりです。

-あなたのライフスタイルを教えてください。
僕の毎日は少しずつ違っていて。あるときは半日スタジオにこもってプロジェクトに向き合ったり、クライアントの仕事をしたり、はしごに登って壁にペイントしたりしています。またある日にはホノルルのクリエイティブスタジオ「the Helm Studio」を訪れてプロジェクトについてクライアントとミーティングしたり友人と近況を話し合ったりとか。制作活動をしていない日には、妻や友人とビーチに行ったり、サーフィン、スケート、キックボクシング、柔術、ダートバイクを楽しんだり、ビデオゲームをしたり、アニメを見たり、他にもいろんな趣味を楽しんでます。好きなことが多すぎるかな(笑)

-ノースショアでお気に入りの場所があったら教えてください。
ガスチャンバーはお気に入りのサーフスポットのひとつです。テントとボードを持って行き、日が暮れるまで1日中ビーチで過ごすんです。これを一生やってるんだろうなって思うし、一生飽きないんだと思う。 

-どんなものにインスパイアされますか?
日々いろんな物事、出来事にインスパイアされています。今の自分ならファッションとストリートウェアかな。最近服を作って売りたいって欲がどんどん出てきてるんです。もともとStussyとか10 Deep、Staple、Braindeadみたいなファッションブランドに興味があったんだけど、最近またそういうブランドに自分のデザインがインスパイアされてると感じています。

-サーフィンやハワイからはどんなインスピレーションを受けていますか?
自分の育った場所が作品を生んでくれているという感覚。僕の作品はすべて環境にインスパイアされてるんです。

-あなたのアートのカラーに惹かれました。ハッピーバイブスと海のピュアな楽しさを表現しているように思えます。このパステルカラーを使い始めたのはなぜでしょうか?
色には僕の性格が表れているんだと思います。賑やかだけどメローで、いつもウキウキしていて元気いっぱい。作品を観てくれた人と同じエネルギーでコミュニケーションを図りたいっていう想いがあるんです。見た目に優しく、圧倒しすぎない色を選ぶようにしています。いつも着色するときには自分がどう感じたいかに重きを置いていて、例えばもしミステリアスに仕上げたければ、晴れの日のサーフィンが連想できるような楽しい色よりも対照的な色の組み合わせを使ったりします。

-’90年代のポップアートのような印象も受けますが、ご自身ではどう思いますか?
’60〜’90年代のクールなスタイル、大好きです。僕は古いものオタクなんで、インスピレーションのためにいつも古いのものを見ています。

-最近のご自身のアートの中で好きな作品はありますか? また、どうしてそれがお気に入りかも教えてください。
ワシントンD.C.で描いた壁画がお気に入りです。これがひとつの転機になったともいえます。サーフィンとかハワイにフォーカスしていない、ちょっと違ったアートを描いたんです。ずっと考えていたアイデアを実行することができたし、自分の行きたい方向性に向かって画期的に変えることができた感じがしています。新しい機会と、新しく観てくれる人が増えたのもよかったです。

-「Pow!Wow!」プロジェクトにも参加していましたよね。
Pow!Wow!はアーティストにとって、作品をこれまでにないほど大きくディスプレイしてもらえたり新しいアーティストと出会える最高の機会です。コミュニティにとっても素晴らしいものだと思っています。実は16歳の時からの夢だったので、このイベントに参加させてもらえたことを心から感謝しています

※Pow!Wow!はハワイでスタートしたストリートアートプロジェクト。新しいアーティストの発掘や支援活動、地域の活性化などを目指しオアフ島の倉庫街のカカアコ地区を利用して行ったのをきっかけに世界に広がった。

-日本であなたのアートを購入できる方法はありますか?
今、インターナショナルシッピングができるように手配しているところです! できるだけ早く世界中に届けられるようにしたいですね。日本ではグリーンルームギャラリーで取り扱ってもらっています。

-次のゴールを教えてください。 
日本で大きなアートショーを行うことですね。日本に行ける日を心待ちにしています!

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