【CANVAS ON THE WAVE】HONEYが気になるあの人にQ&A/サーフィンって本当に楽しい!「Taisiya Kordyukova」

国内外の注目サーファーや新進気鋭のアーティストなど、HONEYが今気になる人たちに質問をぶつけるQ&Aの連載企画。この記事からお気に入りのサーファーを見つけるも良し、推しのアーティストを見つけるも良し。何かのインスピレーションにも役立つかも。第11回目は、バリ在住のTaisiya Kordyukovaさん。バリのパーフェクトな波に魅せられて移住し、毎日ロングボードを楽しむ彼女のイラストは、完全にサーフインスパイアド。波に乗っている時の浮遊感や幸福感、自由さを、シンプルな線と、ポップだけど優しいカラーで表現する。どこかヴィンテージムードも漂うサーフアートに酔いしれて。


-あなた自身について教えてください。
私はフリーランスのイラストレーター、デザイナーでサーファー。ロシア北部のバルト海に面するサンクトペテルブルクで生まれ育ちました。そこはヨーロッパ風の建物と文化を持つ美しい街。世界最大規模のエルミタージュ美術館をはじめとしてたくさんの美術館があるんです。私はこの美しく、可愛らしく、インスパイアしてくれる故郷が大好き。でも……気候は最悪(笑)。1年中ほとんど太陽が顔を出さない場所なんです。だから大学卒業後に旅に出たきり、帰るのをやめちゃいました。最初はインドへ。そして東南アジアやラテンアメリカを巡る旅の目的地のひとつがバリでした。サーフィンに出会うと、バリのパーフェクトウェーブから離れられなくなって、サーフィンへの愛が何度も何度もこの島に私を呼び戻したんです。だからあるとき、新しい旅の計画を立てるのはもうやめにして、しばらくバリで過ごそうと思いました。

-アートをスタートしたきっかけは?
アートはずっと私の大好きなことでした。小さい頃アートスクールに通い、アートの大学も卒業してます。でもなぜか途中でフルタイムの仕事に就くことに。2016年、旅の最中にサーフィンと出会い、私の眠っていた力を引き出してくれました。そこからアートも再出発できました。

-あなたの作品について教えてください。
ドローイングや紙を切り抜いて作るアート作品を主に扱っています。線を描いたり、ポスカでスケッチしたら、パソコンやiPadに取り込んでカラーやテクスチャを足していくんです。でもいつも手書きの優しさみたいなものを感じられるようにしています。

-なかには版画みたいなタッチもありますね?
ヴィンテージのミッドセンチュリーや、’60s、’70sのオーセンティックなものに憧れがあって。昔のマッチ箱のデザインとか子供向けの本やマンガなど、リソグラフで刷られた質感が好きなんです。リソグラフの美しさはその質感と不規則性、2つのインクがお互いに混ざり合ったときの予期しない色の出方にあります。私はデジタルで可能な限りそのオーセンティックなものを再現しようとしてるんです。

-今住んでいるバリに惹かれた理由は?
バリのすべてが大好きです。自然、文化、海。でも一番は人ですね。彼らのシンプルで楽しい生き方が好き。そしてもちろん……パーフェクトウェーブも!

-バリや海は、あなたのアートにどのように影響していますか?
バリは私のホームです。私の作品を意味あるものにしてくれて、力やエネルギー、そして愛を与えてくれるんです。ここで製作しているとインスピレーションたっぷりな、柔らかい気持ちでいられます。私の作品はこの場所と私自身の姿を映したようなものなんです。サーファーとしてもこの世界にあるたくさんの美しいものを見られることに感謝しています。波、日の出、サンセット、幸せそうな人々の目に映る光や水。自然や人との繋がりが感じられる時間。愛、時の感覚、感謝の気持ち、シェアする心、友情、女性同士の繋がり……。こういった小さなことが私の頭の中に積み重なり残っていて。作品の中にはたくさんのサーファーが経験しているこのフィーリングを表現しています。海から得られる悦びをシェアしたいんです。

-あなたにとってサーフィンとは?
私の情熱をシェアできる人々のいるコミュニティと、その一部になれる機会を与えてくれました。子供のように遊んだり踊ったりできる遊び場みたいな存在です。サーフィンは深い海からくるエネルギーとの繋がりを感じられます。波に乗ると、何秒か海とのシンクロ体験ができるんです。今まで体験したことのない、ただただ素晴らしいことだと思います。そしてもちろんサーフィンはメディテーションみたいなもの。意識を自分自身に向けさせてくれるんです。

-以前Seeaとのコラボシリーズもありましたよね。あなたの可愛いイラストがポップな柄のスイムウエアになっていたのを覚えています。
Seeaは私の大好きなスイムウエアブランドのひとつ。もともとたくさん持っていて、よく彼女たちのブログも読んでいます。女性の素敵なコミュニティは刺激になります。だから、Seeaのリサイクル素材の新しいコレクションにイラストを提供できること、それがサーフィン用のスイムスーツとして出来上がってくること、さらに環境負荷をかけない取り組みに協力できることを誇りに思いました。

-どんな時に絵を描きたくなりますか?
内側からインスピレーションが湧き上がってくると信じています。アートを通して自分を表現できること、その時間は本当に幸せ。でももちろん自分を取り巻く環境も重要で。私は今、クリエイトするのに最適な場所にいるんです。自然、海、美しいもの、優しくて愛に溢れた人々に囲まれてる。ここにいるとインスピレーションは自然とやってきます。

最近のお気に入りのアートを教えてください。

イラストを日常に落とし込めるようなパターン(柄)を作ることが大好きで。私のパターンを何かにプリントして商品化できないかと考えていた時に、ファイバーグラスのフィンにプリントすることを思いついたんです。私のお気に入りのプロジェクト。最高のフィンができあがりました。

-あなたのアートを日本から購入できる方法はありますか?
プリントした作品やフィンのコレクションは私のオンラインストアから購入していただけます。もしハワイ在住の読者の方がいたら、ハレイワとワイキキにある日本人の経営するサーフアートギャラリーPolu Galleryへ行ってみてください。バリではウルワツにあるショップ&ギャラリーのDrifterとチャングーのHedonist Storeで販売しています。

-今後したいことはありますか?
もっとサーフボードのフィンを作りたいと思っています。新しいデザインやシェイプを試してみたくて。あと今年行けたら、ハワイのPolu Galleryでもエキシビジョンをしたいですね。早くまた旅に行けるようになったらいいな!

text:Alice Kazama

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