【CANVAS ON THE WAVE】HONEYが気になるあの人にQ&A/どこでもないどこかの風景「 Rafael Uzai」

国内外の注目サーファーや新進気鋭のアーティストなど、HONEYが今気になる人たちに質問をぶつけるQ&Aの連載企画。この記事からお気に入りのサーファーを見つけるも良し、推しのアーティストを見つけるも良し。何かのインスピレーションにも役立つかも。第13回目は、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで、自然をモチーフにした抽象画や造形などを制作するRafael Uzaiさんにインタビュー。絵画、建築、造園などさまざまなジャンルのアーティストからインスパイアされることで独自の世界を確立したラファエル。どこだかわからないけどなぜか懐かしささえ感じる、カラフルでドリーミーな風景画に心奪われて。


-まず、あなた自身について教えてください。
ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ出身です。インダストリアルデザイン(工業製品の設計など)の学校を卒業したんですが、心が求めていたのと本来持っている素質としてはアートのほうだったみたいです。

-あなたの作品について教えてください。
僕のアートはとってもシンプル。自然や建築、物事に流れる時間からインスパイアされています。作品にはだいたいアクリルペイント、木材、生地、写真や古紙を使っています。

-風景画を多く描いていますが、色やシェイプがとてもユニークです。あなたにとって世界はこう見えているんですか? それとも夢の景色を描いているんでしょうか?
景色が題材として多いのは、多分旅をすることが好きだからじゃないかな。道や地平線は無限で自由な感覚をもたらしてくれます。キャンバスの中では、自分を魅了する色で自然の絵を描こうと試みてるんです。“色”は僕の作品で重要な存在。さまざまな感情を呼び起こしたり、美しい色の組み合わせによって感動させられることも。パステルカラーや彩度の低いカラーをよく使うんですが、そこに時々ブライトカラーを混ぜたりもします。僕が好きなアンティークな色のトーン(自然が時間と共にもたらす着色や退色)以上に美しいものはありません。作品に真実味と歴史を添えてくれるんです。

-ブラジルが生んだ造園デザイナーの巨匠、ホベルト*・ブール・マルクスに影響を受けたそうですが、具体的に教えていただけますか?
彼は素晴らしいアーティストで、僕に多大な影響を与えてくれました。彼が作るのは絵画と植物を組み合わせた完全体の作品なんです。彼の造園は絵画のようで、絵画は造園のよう。アーティストみんなの夢であろうことを、彼は習熟したわけです。1994年に亡くなりましたが、彼のプロジェクトは今日まで世界中で受け継がれ、繁栄し続けています。ブール・マルクスは、他に類を見ないユニークな自然との交流の方法を僕らに残してくれました。本当に刺激を受ける人です!
*ロバートとも、ロベルトとも呼ばれている。

Mineral Roof Garden ホベルト・ブール・マルクス  photo by Leonardo Finotti

-もうひとり影響を受けた人物として、ブラジルの建築家オスカー・ニーマイヤーについてもHPで言及していましたね。
はい。彼の建築の大胆さと有機的なラインに惹かれます。彼のミニマリストの痕跡と考え方、過剰すぎないセンスと叡智の組み合わせ方の大ファンなんです。これらが「作品はシンプルに作ることが可能だ」という、僕の確かな基盤となっています。

ニテロイ美術館  オスカー・ニーマイヤー  photo by Leonardo Finotti

-ご自身のお気に入りの作品を教えてください。
特にこれ、というのはありません。すべての作品にそれぞれの価値と異なるフィーリングがあるんです。その中でも好きで売りたくない作品はありますけどね。そうすれば僕の壁にずっと飾っていられるかなと(笑)。
最近作った自分らしい作品と言うのであれば、ベルギーのデザイナーデュオ「ミュラー・ヴァン・セヴェレン」の椅子を描いた1枚ですね。この作品はスローダウンすることを思い出させてくれて、静寂も運んでくれるんです。

-サーフィンは日常的にしているんですか?
近所のSão Conradoという場所でいつもサーフィンしています。ここには一年中波がありますよ。毎日じゃありませんけど。チューブ波も結構あるんです! 波が良い日には友達とサーフィンを楽しんでます。

-直接的なサーフィンの絵などはありませんが、サーフィンがあなたの作品に何か影響することはありますか?
サーフィンは僕を感動させ、心身ともに健康でいさせてくれます。そして夢を見させてくれるんです。自然への尊敬の念、心地よいハーモニーの中で生きているという実感も。海の中にいることは生命とつながることです。アートを通して自分を表現するエネルギーをくれる場所でもあります。

-あなたのアートを日本から購入できる方法はありますか?
インスタグラムホームページには最新の作品を掲載していて、すべて世界中に送れるようにしています。が、まだ日本にお送りしたことはありません。もし日本から注文してくれる方がいたらそれはものすごく嬉しいですね。日本も僕にとっては想像を掻き立てられる場所。僕の描く山や木は日本を思い起こさせる、という人も多くいます。架空の場所、でもなんとなくどこかに似ている、これこそが抽象画の魅力なんですよね。

-何か次のプランがあれば教えてください。
4月にポルトガルの海辺へ旅に出ようと思ってます。サーフィンと絵を描くだけの日々を過ごして、写真とムービーでその様子を追う予定です。いい天気といい波があることを心から願ってます(笑)。

text:Alice Kazama

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