
忙しない日常から距離を置き、ゆったりとした癒しの時間を過ごすリトリート。そんな心地いい時間を毎日の習慣でもある“食”からも取り入れることで、ヘルシーな身体へと導いていきたい。食材を見極め、身体へ問いかける。そんな丁寧な食事の時間を作ることは、日々セルフメディテーションをすることでもあります。フードからリトリートする方法をカフェやレストランから学び、“食のあり方”を考えていこう。
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今回は東京・渋谷にあるヴィーガン料理の常識を覆すレストラン“ヴェジィーター”で知った「プラントベース食の楽しみ方」をご紹介。
自分の身体で証明した菜食の素晴らしさ

アスリートとしても活躍していた島田さんと、メニュー開発兼シェフを務める早川さん2人で立ち上げた100%ヴィーガンレストラン・ヴェジィーター。出てくる料理はどれもヴィーガンとは思えない食べ応えと満足感に溢れている。それは自分の身体で感じた、プラントが持つパワーをレシピに落とし込んでいるからこそ。
「フットサルのパフォーマンスを向上させたいと思っていた頃、アメリカに住むベジタリアン食を取り入れていたおばから、アメリカではアスリートで菜食を実践している人がいると聞きました。アスリート=肉を食べないと!という昔からの常識に囚われていた自分にとって、すごく新鮮な価値観に触れたんです。それから自分の身体をもって実験してみることに。お肉を取り入れるのをやめてみたり、魚を食べる回数を減らしたり……試行錯誤しながら身体とパフォーマンスの変化をみていき、最も調子がよかったのがプラントベースでした」
島田さんの話を聞くと身体が資本のアスリートでも、プラントベースで体力が向上することへの若干の驚きや、栄養価に問題はないんだと知ることができました。これから始める人は、どんな意識で食事をすればいいのでしょうか。
「プラントベースを実践する前からやることは何も変わっていません。難しく考えすぎなくていいんです。みなさんも日頃から炭水化物が多すぎないか、揚げ物を控えようか、野菜やタンパク質は足りているかなど考えていると思います。その考えをプラントベースに置き換えて、なにから栄養素を摂取するのかを変えるだけなんです。どんな食事スタイルでもバランスは意識しなければなりませんよね」
大豆ミートを使用しないという選択

ヴィーガン料理といえば大豆ミートが欠かせないと思っていた中で、ここはそれを一切使用していないというから驚き。お肉の代わりとして提供されているのは、6種類もの豆類や穀物、数種類の野菜やスパイスを合わせて作られたオリジナルパティ。大豆ミートを不使用にしたこだわりをシェフ早川さんはこう語る。
「個人的な意見ですが、お店を始める際のメニュー考案時に大豆ミートを食べてみましたが美味しいと感じませんでした。同様に感じる人も多いと分かり、それではヴィーガン料理でお客さんを喜ばせることはできないと思い、大豆ミートを一切使わないという選択をしました。このレストランで目指しているのは、ヴィーガンの人もそうでない人も楽しめる食事。だからこそ、ハンバーガーやボロネーゼ、唐揚げなど食べ応えのあるものをラインナップしています」
野菜の旨味を引き出すための一手間

いつもの食事となにも変わらずに、満足感を与えてくれる秘訣も教えてくれた。
「たとえば、ボロネーゼは通常より赤ワインや香味野菜を多く使い旨味を出し、仕上げに豆乳で作られたヴィーガンチーズと合わせる事で濃厚な味わいを叶えています。他にも、唐揚げは食感や風味にこだわりました。その上でヤンニョムや南蛮風などバリエーションを加えることで、飽きずに楽しんでいただけるようにしています。心も身体も美味しいという点を大切に、素材の味を生かすレシピになっています」
週に1日食からでもヴィーガン料理で心も身体もリトリート
食品ロスや動物に配慮するライフスタイルを目指して行きたいものの、少し“ヴィーガン”というワードに気軽さを感じにくい人へ。取り入れるための楽しみ方を島田さんに聞いてみた。
「ヴィーガンの食事、プラントベースな食事と聞くとサラダばかり、さっぱりしたものばかり食べていると思っている方がまだまだ多いように感じます。味気ないものばかりではなく、実際にはハンバーガーや唐揚げ、美味しいパスタだって食べることができるので一度試してみてください!これまで不足しがちだった栄養素も美味しく摂ることができますよ。ヴィーガンのレストランを巡ったり、プラントベースで自炊するのも、今までの食事と違う喜びを感じられるチャンスです」
プラントベース食への意識や味わう楽しさを語ってくれた彼らがが教えてくれたのは、仕方なくヴィーガンに合わせるのではなく、みんなで同じ料理を口にして「美味しいね」と笑うことの大切さだった。

CONTACT
ヴェジィーター 03-6427-6400
東京都渋谷区東1-14-12 常盤松マンション1F
11:30〜15:00、17:00〜23:30(不定休)
公式サイト/Instagram
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