Her Wave 海のそばで暮らす彼女の物語#13/Leila Takeda


力強いサーフィンと海の中で輝く笑顔が素敵な日本とメキシコのハーフのサーファーガール、武田レイラ。過去にはメキシコのナショナルチャンピオンに輝いたほどの実力を持つ彼女。メキシコのサーファーの聖地、プエルト・エスコンディードに移り住んだ現在のライフストーリーについて語ってくれた。
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母は日本人、父はメキシコ人のミックスで、父が亡くなる4歳までアメリカに住んだり、家族で色んな場所を旅しながら生活していた。4歳から7歳まで母の故郷、日本の川崎(神奈川県)に住んでいて、日本語や日本の文化もその時に学んだわ。7歳の時に夏休み中だけメキシコに戻る予定だったんだけど、日本の都会での生活や、学校の後に塾に行って勉強している周りの子たちを見て、メキシコでの生活が私にも母にも合っていることに気付いたの。父は元々サーファーで母もボディボーダーだったから、やっぱり海のそばで暮らしたかったのが一番大きかったのかも。現在はメキシコ、オアハカ州のプエルト・エスコンディードに住んでいる。

メキシコといえば陽気な雰囲気で年中天気も良く、美味しいご飯や極上の波で有名だけど、メキシコでのサーフシーンとサーフィンとの出合いは?

小さい頃からよく家族で海に行っていて、4歳の時に初めてボディーボードに乗った。日本にいる時はあまりサーフィンをする機会がなくて、ちゃんとサーフィンを始めたのはメキシコに戻ってきてからだから、13歳くらいから。普段はプエルト・エスコンディードのラプンタ(La Punta)やジカテラ(Zicatela)というポイントで入っている。いまお気に入りのサーフボードはlostの5’3″の短い丸っこいボード。小さな波の日でも簡単に乗れて、私にすごく合っている。
プエルト・エスコンディードは主に上級者やプロが入るポイントで、ビッグスウェルが入ると“メキシカン・パイプライン”と呼ばれるほど、波が大きくなる。そんな場所だから、オーストラリアやハワイのようにローカルの存在が強いのは確か。
メキシコはサーフスポットがたくさんあって、例えばMexiLogFestが開催されている北部のサユリタ(Sayulita)なんかはすごくメローな波で、色んなタイプの波に出会うことができる。そこはみんな笑顔で穏やかな雰囲気。どこでサーフィンするかによって、波も雰囲気もガラリと変わる。それがメキシコのサーフィンの醍醐味だと思う。

サーフトリップの思い出

今までサーフィンで訪れた都市はたくさんあるけど、私は島の生活と透き通った海が大好きだから、プエルトリコがお気に入り。次に行きたい場所はインドネシア。レフトのパーフェクトウェーブに乗るのがすごく楽しみ!

1年半前までは選手として試合に出場し、2017年〜2018年はQSシリーズ(クオリファイングシリーズ)にも挑戦していた彼女。その後、コンペティティブから退いた理由は?

幼い頃からサーフィンが大好きで、毎日暇さえあればサーフィンのことを考えていた。でも大会に出ると当たり前のように「何分で何本波に乗らないといけない」「次はこのスコアを出さなきゃいけない」というようなことを考えたり、普段のトレーニングにも力を入れたり。サーフィンは嫌なことがあった時や、ストレスを抱えている時にすっきりした気持ちにさせてくれ、すべてを忘れさせてくれる存在だった。試合に出てスコアを競い合うことは、あまり私には向いていないと感じた。それがコンペシーンから離れて、本当に好きだった“自由なサーフィン”を追い求めていきたいと思った理由。

今後の夢や目標

今はプエルト・エスコンディードでずっとやりたかったコーヒショップをオープンして、時間がある時は友達と一緒にサーフィンに行ったり、昔から夢だった自由な生活をおくっている。今の目標はもっとここの波を乗りこなして、楽しいサーフィンをすること。それからコーヒーを通して、人々を笑顔にさせることが出来ればいいなと思っている。

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