Her Wave 海のそばで暮らす彼女の物語#15/Marta Tomasini

南フランスのバスク地方ビアリッツに住むマルタ・トマシーニ。初めてビアリッツを訪れた日からこの街に恋をし、移住する夢を叶えた彼女。サーフィンを軸に生活する彼女がビアリッツの魅力、妊娠中のサーフィン経験について語ってくれた。インスタグラム


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生まれ育ちはイタリア北部のトリノという街で、どちらかと言うと山が近くにある街だったから幼い頃はスキーやスノーボードをしながら育った。2010年にモロッコに旅行に行ったとき、初めてサーフィンに出会った。それまでサーフィンには興味がなかったから、イタリアでサーフィン出来ることさえも知らなかった。それからサーファーの彼と出会い、サーフトリップやホリデーでフランス・バスク地方のビアリッツに行きはじめたの。イタリアよりも波が良くてサーフィン文化が盛んなビアリッツに恋をして、2013年に数ヶ月だけ住むことに決めたの。でも住んでみるとここから離れることが出来なくなり、もう9年もいるわ。現在2歳の子供がいて、フォトグラファーの仕事をしながら楽しく生活している。

ビアリッツに移住した理由

初めて訪れた時からこの街の空気や雰囲気がとても気に入って、言葉にするのは難しいけど目に見えない何かに惹かれたの。フランスの他の都市みたいに忙しすぎず、すごく落ち着いていて毎日の生活の中で海風を感じられる。街も大きすぎず、ここに住むとみんな顔見知りになるコミュニティの存在も大きい。普段は家の近くのコート・デ・バスクでサーフィンをするんだけど、車を走らせると近くには様々なタイプの波があって、自分のレベルに合わせたサーフスポットにアクセスが出来るのも魅力。海岸沿いには美味しいワインが飲めるバーや小さなレストランもたくさん並んでいて美食の街でもある。ビアリッツを一言で表すと、“私が欲しかったもの全てが揃ったお洒落なサーフタウン”かな。

ビアリッツのサーフシーン

コート・デ・バスクはロングボードや初心者にちょうど良い、ビーチブレイク。メローな波だけどコンスタントにあるから、人気のスポット。夏は平均気温が24℃でビキニでもサーフィン出来るけど、それ以外の季節はウェットスーツが必要だから、日本と同じような感覚だと思うわ。ヨーロッパ・サーフィン発祥の地と言われるくらいで、多くの人が訪れるから夏はとても混雑する。ビーチサイドにはサーフショップやサーフスクールも充実していて、簡単にサーフィンが始められる場所でもある。

妊娠中もサーフィンを続けようと思った理由は?

サーフィンから離れることが考えられなくて、息子がお腹の中にいた時も海に入っていた。初めての経験だったから最初は心配だったけど、幸運なことに私を診てくれていたお医者さんがサーファーで、知識と理解のある人だった。自分が心地よい波やサイズの時にサーフィンしたり、膝立ちでパドルしたり、常に誰かと一緒に海に入っていた。彼がくれたアドバイスのお陰で、妊娠中も楽しくサーフィンをすることができた。周りからは危険だと言われることもあったけど、私がサーフィンを続けた理由は、妊娠していることを不自由に感じたくなかったし、妊娠する=サーフィンが出来ないという嫌な思い出を作りたくなかったから。妊娠中は身体の変化はもちろんのこと、精神的にもチャレンジが多くて、でもアクティブに動いてサーフィンを続けることで私らしさを失わずにいることができた。そして同時に、サーフィンが一番の大きな支えになった。

次に行きたいサーフデスティネーションは?

暖かくて海が透き通っていて、あまり混んでいない場所。今まであまりサーフトリップには行ったことがなくて、ヨーロッパでのサーフィンが多かったから、南国の暖かい海でサーフィンするのが楽しみ。モルディブやバリ周辺の島々に行ってみたい。

今後の夢や目標はある?

パンデミックが起きて街がロックダウンし、その最中に母親になって……。パンデミックも落ち着いてきたと思えば、今度は近くで戦争が始まった。ここ数年様々なことがありすぎて、人生は簡単に変わってしまうと実感している。だからこそ“今”を生きたいし、フォトグラファーとしても母親としても今できることを精一杯頑張っていきたい。大きな夢や目標はあまり持たないようにして、家族との繋がりをもっと深いものにしていきたいと思っている。

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