自然を愛する、あの人に聞く。心地よい暮らしを叶えるためのヒント | Vol.7 セーリング


第7回に取り上げるのは「セーリング」。セーリングで世界を巡るmaiさんを紹介します。

これまで見たことのない世界へ

私は10年ほどスウェーデンのストックホルムに住んでいるんですが、ストックホルムは何千もの島でできているため船を持っている人が多いんです。週末に船でピクニックに出かける人たちも珍しくありません。そんななかで私も、友だちと船に乗り始めるように。そこからセーリングが大好きになっていきました。私にとってヨットは、「風の力で動く、どこへでも行ける家」です。リュックやスーツケースに荷物を詰め込む必要もなく、気が向くままに好きなところへ。風の力を借りて素敵な経験ができるんです。一番印象深かったのは、太平洋を横断したときに見た景色です。夜番だった私がヨットを運転していたとき見たのは、空一面に広がる星空。太平洋の真ん中だったので、星が本当に近く感じました。さらに、海にはたくさんの夜光虫(プランクトン)が輝いていて、私とヨットは360度星に囲まれているのではないかと錯覚するほど。まるで宇宙をセーリングしているような気分でした。そんな景色に出会えたのもセーリングのおかげです。

自然と共に暮らす心地良さ

もうひとつセーリング生活で好きなのは、海の傍でいろんなことを学べる点。モーターが故障したり、帆の調節が必要になったり。陸の暮らしでは出会わないような様々なミッションが船上の暮らしでは起こります。電気やナビゲーション、航海時の食事の確保なども大事な要素。船の上にいると、どれだけのものが本当に必要なのかをよく考えさせられます。本当に必要なものだけを大切に使い、自然を敬い共に生きる。その感覚がセーリングを通じて養われたと思います。また、それが私にとっての心地良い暮らしにも繋がっています。

海の現状に直面するセーリング

セーリングをしていると環境問題に直面することも多いんです。太平洋航海時には、ゴミの渦を目の当たりにしました。潮の流れで集まったプラスチックのゴミ、ビーチチェア、サンダルなどがたくさん浮かんでいるのを見て、とても悲しい気持ちに。現実を突きつけられた気がしました。そんな現状を見て、私も海を汚さない暮らしを意識するように。当たり前のことですが、ゴミはしっかりと持ち帰る、なるべくプラスチック製品は買わずに消費を少なくするなど。まずは私たちが身近にできることから変えていくことで、世の中のプラスチック生産も少しずつ減っていくのではないかと思っています。

海での心地良さを体験して

セーリングに興味があるという方は、まずは小さなヨットで体験をしてみるのがおすすめ。小さなヨットは風について学ぶのに適しているうえに、動かしやすいので楽しいと思います。そしてセーリングコミュニティに入って、いろんなセーラーの人とお話ししてみてください。セーリングの魅力が、もっと身近に感じられるようになるはずです。

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