Her Wave 海のそばで暮らす彼女の物語#17/Jessica Tarr


バリ・チャングーの大通りから一本外れた小道に隠れ家のような小さなビキニショップを構えるジェシカ・ター。デザイン、生産、マーケティングに至るまで全てバリで行い、美しい地球に恩返しをしたいという想いを込めたブランド。ブランドが出来るまでの背景とともに、彼女のライフストーリーをお届けします。
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あなたのことについて教えて

母親はスイス人で父親はイギリス人。生まれ育ちはロンドンで、高校卒業後の18歳頃からイギリスを出て旅をし始めた。最初の2年間は、アフリカのザンジバールというインド洋に浮かぶ楽園のような島で過ごした。それからイギリスに帰ってインテリアデザインを勉強して、初めてインドネシアに来たのは20歳のとき。そのころは誰も知らないような小さな島で、漁業を営む家族と一緒に生活してた。それからタイに18年間住み、ダイビングインストラクターとして働き始めたの。一日中ビキニで過ごすようになって、自分の好きなデザインや洋服作りを生かした仕事をしたいと思い、“Flipflop and Treacle”というブランドを始めた。

バリに移住しようと決めた理由は?

バリに完全に移住したのは今から3年半前。今はチャングーより少し北のケドゥング(Kedung)に家を建てて、7歳になる娘と住んでいる。バリの好きなところはたくさんあるけれど、中でも一番は人々の笑顔が素敵なところ。バリの人はどんな時でも笑っていておおらかで、移住してきた私のことも家族みたいに受け入れてくれる。村の人々とのコネクションや多様性は、小さな街や島で人生の大半を過ごしてきた私にとって、すごく心地いよいしホーム感がある。

“Flipflop and Treacle”のコンセプトについて教えて

お店で売っているものはすべてリサイクルしたものから出来ていて、循環再生できるものを選んでいる。ダイビング、サーフィン用のワンピース、ビキニ、ラッシュガードは世界中の海から回収した漁網やプラスチックから製作。オーガニック、サステイナブルなモノは値段が高いから、環境に優しいものを選びたいと思っていても、手に入れずらい存在だったと思う。だから私はできるだけ価格を安くして、ライフスタイルに取り入れやすいブランドを目指している。売上の一部をチャリティに寄付したり、地元のテーラーに任せたり、住んでいる地域にも貢献したいと思っている。

バリでの1日の過ごし方

朝5時に起きて娘が起きるまでの1時間、メディテーションをしたりストレッチしたり、自分のために時間を使う。波がよければそれからサーフィンに行き、ご飯を食べて娘を学校へ送りに行く。その後はチャングーにある自分のお店に寄って、お客さんと話したり商品をチェックしたり。家に帰ってからはデザインやミーティング、撮影や生地探しなど、日によってやることは違うけど毎日何かしら仕事をしているわ。ビジネスオーナーになって良かったことは、時間に縛られず自由に働けること。波が良かったら仕事中でも一旦ストップして海に行くし、娘と過ごすために数日間休むこともできる。
サーフィンを始めたのはバリに移住してから。40歳になったとき、今までずっとやりたかったサーフィンとギターに挑戦することを決めた。サーフィンって上達するのにとても時間がかかるでしょ。ようやく1人で波に乗れるようになっても、次に行くとそれが出来なかったり 苦笑。サーフィンができるようになることは、自分自身が成長することにも繋がっている。サーフィンを初めて2、3年経った今はその過程も楽しんでいるし、大好きな海で友達と笑いながら過ごす時間は、私にとってかけがえのないひと時になった。

将来の夢ややりたいことが見つからない人に、何かアドバイスをするとしたら?

まずみんなに伝えたいのは、心配しなくても大丈夫だということ。20代で自分が本当にやりたいことを見つけられたなら、それはすごく幸運。色々なことに挑戦して、その中で自分の好き嫌いや、何が得意かを見つけるのがいいと思う。そして、自分が情熱を注げることを見つけること。私がこのブランドを続けられている理由は、環境に優しいモノ作りをしたかったことが根底にある。それに携われていると思うと、どんな作業も苦にならない。

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