HONEYが気になるあの人にQ&A_17/ドリーミーなコーラルスカルプチュア「Stefanie Ferguson」


オーストラリアの海沿いに住み、サーフィンやスキューバダイビングを愛する彫刻家のStefanie Fergusonさん。彼女がテーマとして掲げるのは、サンゴと海の生き物。その特徴を巧みに再現しながらも、彼女らしい色使いやスタイルによってドリーミーなオリジナル作品に仕上げている。海の香りにどことなくモダンなエッセンスがプラスされ、インテリアにもよく馴染む。

-あなたのアーティストとしてのキャリアを教えてください。
スコットランド出身で、首都のエディンバラにあるエディンバラ・カレッジ・オブ・アートで彫刻を学びました。卒業後オーストラリアに移住し、ギャラリーや美術館でキャリアを積みました。オーストラリア、イギリス、アメリカで展覧会を開き、地元シドニーのホームスタジオから世界に向けて作品を発表しています。過去には、エジンバラ城やミラノ・デザイン・ウィークで作品が選ばれたこともあります。

-海の近くにお住まいですか? どんなライフスタイルを過ごしていますか?
はい、シドニーで一番有名なビーチの近くに住んでいます。海辺の観光地で育ったので、海のそばは故郷を思い出させてくれるんです。泳ぐのが好きで、休みの日にはサーフィンやスキューバダイビングを楽しんでいます。私のライフスタイルの中心は、家族、自然、芸術、そして感謝の気持ち。自然の中を散歩したり、コーヒーを飲んだり、アートを楽しんだりする時間が多いです。

-あなたの作品について教えてください。
サンゴや海の生き物を中心に、海洋生物の質感や造形を探求しています。このテーマをもとに、私自身の解釈から生まれたスタイルと色のチョイスをし、美しいインテリア作品を作るのが好きなんです。

-なぜ、サンゴや海の生き物を題材に選んだのですか?
海が大好きだからです。美しさだけでなく、その神秘性に惹かれるんです。サンゴは海の肺とも言われていて、生態系に重要な役割を担っています。彼らのさまざまなテクスチャーやフォルムも好きで、彫刻家としてインスパイアされることも嬉しいです。実は私たち人間がサンゴに依存して生活していることは、まだまだ知られていないんですよね。

-日本の陶芸からもインスピレーションを受けたそうですね。どんなところに?
色と形の探求が好きで、特に“練り込み”(色の異なる粘土を組み合わせたりすることで様々な模様を出す伝統技法)などの日本の技法に興味があります。私は陶芸を始めて早くから、日本の美意識である「わびさび」に影響を受けてきました。陶芸は謙虚なものであり、こうしたい、という想いに縛られることなく流れに身を任せることを学びました。

-オーストラリアでも日本のように陶芸をする人が多いように感じますが、なぜだと思いますか?
日本は陶芸の分野で高い評価を得ていて、職人技、技術力、土の研究において歴史的に有名です。オーストラリアの人々が日本の陶芸文化に惹かれるのは、単に距離の近さだけじゃなく、ヨーロッパと技術が違うということもあるんだと思います。

-繊細な線やテクスチャーはどのように作っているのですか?
手と様々な道具、そして長年かけて収集した自然素材を組み合わせて使っています。時にはレイヤーを重ねて、新しい効果を生み出すことも。すべて手作業で行っているので時間がかかるし、落ち着いて忍耐強く作業しなきゃいけないんです。前に本で読んだのですが、私たちが感じるエネルギーは作品にそのまま反映されるそうなので、テクスチャーに取り組むときは自分の気持ちを中心に据えるようにしています。

-作品を購入したらどのように飾ってほしいですか? アクセサリーホルダーとして、花瓶として、または生活にナチュラルなエッセンスを与えてくれるアート作品としてなど。
作品に対するみなさんの反応は、それぞれ大切にしたいと思っています。私は彫刻的な要素と機能的な要素の境界を曖昧にしていて、作品がどうやって空間のアクセントになるのか、購入してくれた方がどうやって作品と接するのかを探りたいと思っているんです。だから希望があれば、作品の中に機能性を持たせたりもします。ドライフラワーを入れられるようにしたり、リングホルダーや小物入れのような器にしたり、アートとして成立するようなものまで。私の作品をどうやって使ってくれているかを見るのが本当に嬉しいんです。みなさんいつも最高の形でディスプレイしてくれます。

-最近制作したお気に入りのアートとその理由を教えてください。
私の今のお気に入りの作品は『Acropoa』(写真下)です。見るたびに1点物らしいテクスチャーを見つけることができるので、気に入っています。

-あなたのアートを日本から購入できる方法はありますか?
はい、ウェブサイトやインスタグラムから購入できます。インターナショナルシッピングも行っていますよ。日本でもオーストラリアの作品を扱っているギャラリーなどがあれば、展示や販売したいですね。

-次のゴールなどありますか?
今年はすごく楽しい1年になりそうです。数ヶ月以内にオーストラリアとアメリカでいくつかの展示会に出展する予定。あと、もっと大きな作品を作りたいとも考えてます。

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