奄美大島特集_#06/島の魅力を伝えるモノづくり

奄美大島には1300 年以上の歴史を持つ大島紬や泥染めなど、他では見られない伝統文化が多数。島に自生する木々にも個性があり、豊かさの象徴に。この島の魅力をたっぷり味わうことのできるおすすめショップをご紹介!


ビーチスタイルにも似合うエコなアイテムたち

奄美伝統の泥&藍染め

本場奄美大島紬の泥染めを担う金井工芸で働きながら、多くの知識を得て、数年前に自身のアトリエをオープンした井村聡子さん。最近の藍染めの多くはインディゴを染料としているのだが、ここでは島で古くから使われている琉球の琉球藍を使って染色。生地にヘンプやオーガニックコットンを使用するなど、エシカルなモノづくりを行っている。奄美大島の美しい海を感じさせるような気持ちの良いブルー。そして伝統的な泥染め。自然の豊かさと先人の知恵に想いを馳せながら、本当に気持ちの良いモノを手にする、身に纏う。日常にちょっとした喜びを運んでくれるアイテムたちは、ぜひ旅のお土産に。アトリエでは藍染体験も行っているので、参加してみるのも楽しい。

右_ヘンプ×オーガニックコットン素材で肌にも優しい。伝統的な藍染めを使ってタイダイ柄に。ブラトップ¥6.400、ボクサーパンツ¥2.800 左_お部屋に爽やかな海の香りを運んでくれるマクラメのタペストリー。こちらも自然から生まれた琉球藍を使ったもの。¥7.800
アトリエがあるのは天然染めには欠かせない美しい川の側。山奥で電話が繋がりにくいので、訪れる際は事前に営業日を確認しよう
みどりや
鹿児島県大島郡龍郷町芦德1551
090-2016-4289
@midoriya_amami

こだわりの釉薬とシンプルな造形美が魅力

島の自然を表現する陶芸家

海の濃淡を表現した藍色やエメラルドグリーン、そして夕焼けを彷彿させる薄いピンクやアイボリーなど、奄美の自然からインスピレーションを受けた作品の数々は、どれも同じ色のない一点モノ。島のホテルや飲食店でも多く取り扱われている人気陶芸家・森雅志による作品で、彼のアトリエ「雅工房」ではフルラインナップを見ることができる。薄さと軽さを追求した彼の器は、手に寄り添うなめらかな質感が魅力。釉薬にもかなりこだわっており、今も理想の色を表現すべく、研究を重ねているそう。予約待ち状態なので、お気に入りを見つけたら即ゲットしたい。

右_使い勝手のよいシンプルな大皿は、さまざまな表情を見せる海の色をイメージ。アトリエには器愛好家やクリエーターも訪れる。¥4.200 左_自然光の下で見るとその色は微妙に変わる。美しく変化する釉薬と器の繊細な薄さや形に匠の技を感じられずにはいられない。¥3.500
営業時間は10時〜17時。不定休だが電話は非公開なので、直接訪れてみるしかない。名瀬から約30分南下した村の一角にある
雅工房
鹿児島県大島郡大和浜字南田310

島の木から作られる、優しさ溢れるアイテム

廃材をアート作品に昇華

島で生まれ育った木工作家・今田智幸さんの工房兼ショップ「Woodworks CUE」。ガジュマルや琉球松など、島に自生する木々の廃材を使って花器やアクセサリーなどを制作する彼は、建築資材の仕事をしていた際に不要な木材をリサイクルしたいと思ったのが、作品作りのきっかけに。多くは丸く加工されているのが特徴で、年輪が波のようにさまざまな表情を醸し出している。愛らしい球体のクラフトは温かみもたっぷり。

右_ひとつひとつ異なる木の魅力を最大限に表現するよう制作。年輪や質感を活かした一輪挿しは壁に掛けて使うのがおすすめ。¥3.000 左_染色を施したツートーンのイヤリングは友達や家族へのお土産にも。風合いがどんどん増していくのもウッド素材の魅力。¥4.000
木目や筋、割れ目なども造形に活かして、木の魅力をふんだんに引き出す。泥染めや焼きなど、さまざまな加工を施しているのもポイント
Woodworks CUE
鹿児島県奄美市名瀬和光町25-7
@woodworks.cue

独自のアイデアを盛り込んだ特別な1本

原点回帰なサーフボード

もともと建築関係の仕事をしていた藤田智さん。サーフィン好きも相まって「これなら僕にも作れる」と思い、独学で試行錯誤を繰り返しながら、さまざまなウッドボードを制作してきた。通常のボードと違って重さも増してしまうため、解消すべくボードの中を空洞のような状態に。木が本来持つしなやかさを活かしたウッドボードは、他とは違う新鮮な乗り味でローカルサーファーの間でも話題。島にあるサーフショップ「Can.nenSURF」をプロデュースするプロサーファー碇山勇生さんとは公私共に仲良し。アイデアを交わしながら、さらに進化をさせている。

藤田さんの作るウッドボードは「Can.nenSURF」で展示している。フィンやハンドプレーンなど、多彩な作品を制作している

奄美大島の美しい海を見渡せる彼らの秘密基地にて。ここでプロサーファーの碇山さんと波チェックをし、波が上がったら海へ。なんとも贅沢な島の暮らし
Can.nenSURF
鹿児島県奄美市笠利町用安1290-2
https://cannensurf.amamin.jp/
@cannensurf

海に映える上質ウエアをラインナップ

洗練されたローカルアイテムを

湘南・葉山にあるセレクトショップ「サンシャインプラスクラウド」を手がけるオーナーが代官山に続き、3店舗目の直営店としてオープン。初めて訪れた際、奄美大島にすっかり魅了されたという彼の想いが詰まったショップは、美しいビーチの前。庭には立派なガジュマルがそびえ、この島の自然の魅力とともに、ファッションの楽しさを発信している。店内には肌触りの良い麻素材や鮮やかなカラーなど、ビーチスタイルに似合うウエアがたくさん。雨が多い奄美大島ならではの気候に合うサラッとした素材は地元の人にも人気。ここでしか買えない限定アイテムもあるので、旅の思い出に持ち帰るのも良さそう。

古材を使用して建てられた店内は、思わず長居してしまう心地良さ。ビーチに必要なものはここで。島気分を高めるピンクの外観を目指して行こう
シンプルだけど遊び心を感じさせるデザイン
ハンドメイドのスリッパはハイビスカスや月桃などそれぞれに自然の名前が。¥11.000
PARADISE STORE
鹿児島県奄美市笠利町用安1257-12
https://paradise-breeze.shop-pro.jp/

HONEY#33 より一部抜粋)

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