Her Wave 海のそばで暮らす彼女の物語#18/Ignacia Tubero


暖かい色味と優しいタッチで、見ているだけで南国にいる気分を想起させてくれるチリ出身のアーティスト、イグナシア・トゥベロ(ニックネーム:イギー・パズ)。サーフィンを始めて16年の彼女は、さまざまなタイプのボードを乗りこなすスタイリッシュなサーファーでもある。そんな彼女のライフストーリーをお届けします。
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母親はチリ、父親はカリフォルニア出身。チリの中部、ビニャ・デル・マールで生まれ数年過ごした後、フロリダ、カリフォルニア、アイルランドと様々な場所を転々として育った。幼い頃から違った文化や人々に出会ったことで視野が広がったし、今の私自身にも大きく影響している。だけど当時は、せっかく仲良くなった友達と離れ離れになるのがとても辛かったのを覚えているわ。6年前にフロリダに戻ってきて、今はここを拠点にしている。仕事はフリーランスのグラフィックデザイナー兼イラストレーターとして活動していて、時間があるときはサーフィンのインストラクターとしても働いている。

サーフィンとの出合い

サーフィンを始めたのは10歳の頃でサーフィン歴は16年。父がサーファーだったこともあって、引っ越す先々がどこも海に近い場所だった。チリに住んでいたときはショートボードに乗っていたんだけど、フロリダの波はメローでロングボード向きだから、フロリダに来たのをきっかけにロングボードも乗り始めたわ。今ではロングボードが手放せないくらい大好きになった。

アーティストの道を歩み始めたきっかけは?

幼い頃からコラージュや絵画など、何かを作るのが好きだった。チリにいた時に、アートデザインの高校に通っていて、それが私の中に眠っていた創造性に火をつけたの。壁画やコラージュ、絵画、ブロックプリント、ジュエリーなど、あらゆるものを作ったわ。卒業後は写真に専念していたんだけど、人生の中でトラウマになるような出来事があり、アメリカに戻らなければならなくなった。

帰国した時は精神的に余裕がなくて、一時期クリエイティブな活動はストップしていたんだけど、2019年にニカラグアにサーフトリップに行った時にまた絵を描き始めたの。すると、アイデアやインスピレーションがどんどん湧いてきて、それからすぐに大好きなサーフィンとアートを組み合わせた作品を作り始めた。
インスピレーションは、私を取り巻くすべてのものから受け取っているわ。ミッドレングス、フィッシュ、ショートボード、レディスライダー、スケート、フィン、サンセット……。自分のアートを通じて、サーフィンへの愛を表現することをとても楽しんでいる。

中南米を旅行するのが大好きで、コスタリカやニカラグアの街のトロピカルな雰囲気や印象をアートに反映させたものが多いの。私が育ったチリの海は冷たいから、フード付きのフルスーツにブーツとグローブが必須。でもわたしの作品はオレンジやイエローなど暖かみのある色が多い。南国でのサーフィンが好きだから、自然とそうなってるのかも知れない。今一番行きたい場所はインドネシアのニアス。そこに行ったらまた違ったアイデアが浮かんでくるのかな〜なんて考えると、また旅に行きたくなる!

これからの目標を教えて

アーティストとしてもっと成長していきたい。この道一本で生きていくのにはまだ少し不安があるから、今はサーフィンインストラクターの仕事を掛け持ちしている。将来的には自信を持って、「アーティストです!」と言えるようになりたいわ。
あと、ニカラグアやコスタリカにサーファー向けのゲストハウスを建てるのも夢。ポジティブな人たちに囲まれながら、自分を突き動かすような環境に身を置くことが私が大切にしていることのひとつ。周囲との関係性を深めながら、自分がやりたいこと、好きなことに100%向き合えば、いつかはこの夢も叶うと信じている。

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