自然を愛する、あの人に聞く。心地よい暮らしを叶えるためのヒント | Vol.10 パーマカルチャー

慌ただしい日々を心地よいものにするためには、自分をリセットする時間も大切。平日忙しければ週末だけでも、たっぷりと自然のパワーを浴びる時間をつくってみよう。日頃から自然に寄り添った暮らしをしている人に、自分をリセットするためのアイデアを教えてもらう連載企画をスタート。心地よい暮らしを叶えるためのヒントにしてみて。
第10回に取り上げるのは「パーマカルチャー」。パーマカルチャーを実践するために東京から岡山へと移住したKeiさんが登場!


循環する豊かな暮らしを求めて

パーマカルチャーな暮らしを始めた大きなきっかけは、2018年に共生革命家・ソーヤー海くんの主催する「人生が変わるパーマカルチャーツアー」というアメリカ西海岸を巡るツアーに夫が参加したことでした。そもそもこのツアーに参加したかったのは私でしたが、事情により参加が難しく、私が魅了されている世界に興味を示さない夫をこのツアーに送り込んだら何か刺激されるかもしれない!と思いつきで参加を提案したんです(笑)。

その結果、夫はこのツアーを通じて、パーマカルチャーのデザインされた世界や、そこで循環する豊かな暮らし、そして地球に良いインパクトを与えながら楽しく社会を変えていく人たちに出逢い、本当に人生が変わるほどの刺激を受けて帰ってきました。そこからパーマカルチャーを実践するために長年住み慣れた東京を離れ、岡山へ移住することに。パーマカルチャーの魅力は、人と人、人と自然が生かし合う関係性を育み、有機的なつながりを取り戻すことで、今の経済社会への依存を減らし、より自立的に豊かで楽しい世界を自分の足元からつくっていけることです。

自然環境と直結した日常

ここでの暮らしは、すべて自然環境と直結したもの。例えば、生活排水一つ取っても、そこに生息する生物たちのことまで意識した暮らしをしています。生活排水が流れていく先にはカエルやザリガニ、ヤマトヌマエビなど、さまざまな生き物・食性植物が生息するビオトープ(池)があります。そのため、わが家では食器用洗剤、洗濯用洗剤はもちろん、シャンプー、リンス、洗顔料、歯磨き粉などにも合成洗剤が入ったものは使っていません。私たちが流したものが巡り巡ってまた私たちの口に入ってくるということを実感したからです。

今の社会は仕組み上、「地球資源を搾取して捨てる」という一方向性になっていて、自然のサイクルから人間だけが取り残されてしまっています。ここでは社会依存を減らしたライフラインを構築することで、自然の循環の一部として私たちの暮らしが成り立っています。そんな暮らしのなかに身を置いていると、地球に生きていること、命の循環に生かされていることを実感します。また、自然の営みを生かして暮らすことが、地球を大切にすること、自分たちを大切にすること、そして未来にまでつながっているということを感じさせてくれます。 私たちが暮らせば暮らすほど、この環境の生態系が育まれ、豊かになる。そう考えると、日々の暮らしそのものに心地よさを感じられるようになりました。

大切なのは「生かされている環境」の捉え方

自然に寄り添った生活をしたいと思っている方は、「自分は何によって生かされているのか」ということをまずは考えてみてください。

今呼吸ができていること、太陽があること、雨が降ること、聞こえてくる鳥のさえずり……などに意識を向けてみると、常に自然に寄り添って生活していること、生かされていることに気づくはずです。山や海の近くに住むことだけが自然に寄り添った生活ではないと思います。結局は、自分の生かされている環境をどう捉え、どうあるかということが大事。

そんななかでも、パーマカルチャーな暮らしを始めたいと思っている方は、すでに実践されている方やコミュニティを訪ねてみるのがいいと思います。百聞は一見にしかず!実際に自分の目で見て、感じて、話をしてみてください。場所によっては体験会や見学会といった形で参加者を募っているところもあります。そういった場に参加することで、同じ意識を持った人たちとつながることができ、モチベーションにもなると思います!


Keiさん
くらすひと/くらしのね 暮らしとパーマカルチャー

一児の母。東京生まれ。2019年にパーマカルチャーを実践する暮らしの場を求めて、東京から夫の故郷である岡山県津山市へ移住。夫がセルフビルドしたタイニーハウスで家族3人暮らし。電気、ガスは契約せずオフグリッド生活を送る。現在、パーマカルチャーのドキュメンタリー映画『TERRA ~僕らと地球の 暮らし方~(仮)』制作中。
Webサイト / インスタグラム

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